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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第63回「太陽族だけじゃない『族』の戦後史」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 石原慎太郎が亡くなったが、政治家や都知事としてはとんでもない人だった。ただし小説家としては初期の『処刑の部屋』なんか結構読ませる。芥川賞の『太陽の季節』も高校時代に読んだけど、小説も映画(裕次郎が脇役でデビュー)もそれほど凄いとは思わなかったな。〇〇で障子紙を突き破る場面だって、まあ、そんな描写もありかなんてね。
今回の話題は慎太郎本人がどうこうじゃなくて、太陽族をはじめとした戦後の「族」ものの盛衰だ。
まず太陽族は、こちとら『太陽の季節』が世に出た頃ってまだ赤ん坊だからね。あとで知ったのは、アプレゲールという戦後派の若者たちの不良っぽい振る舞い(犯罪も)があって、なかでも富裕層のボンボン(慶応が多い)が、ヨットで遊んだり軟派したりで、大人たちが眉をひそめてたってわけさ。青春時代を千葉県で育った立場からすると、神奈川の湘南ボーイなんて全然別世界。ヨットで遊ぶってのも気に食わなかった(ヨット乗ったことないぞ)。
この太陽族あたりからか、1950~80年代くらいまで、〇〇族っていうのが若者の流行現象として次々に出てきたのだ。六本木族、みゆき族、カミナリ族、アンノン族、暴走族、竹の子族、ロックンロール族、カニ族、カラス族、夕暮れ族とかね。
しかしもともと〇〇族なんて言い方、昔の西部劇に登場したアパッチ族とかコマンチ族、スー族、シャイアン族なんてインディアン(先住民)の各部族の呼び名だったけどな。これが暴走族みたいに集団で暴走する連中のイメージと、アンノン族みたいに女子学生・OLらが群れる国内旅行のイメージに分かれてゆくってわけ。
六本木族というのは、夜の六本木界隈で遊ぶ連中のことで、50年代後半~60年代あたりで、六本木野獣会とか芸能人中心の集まりが注目を浴びたんだっけ。これまたまったく無縁だ。そもそも10~20代の頃は、六本木はほとんど行ったことがない。

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