アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

ソニー生命、本業の生保勧誘でも大失点

●普通の生保勧誘巡り、ソニー生命が高裁で逆転敗訴

わが国においては、変額保険や地震保険といった“特殊”な保険に関しては、勧誘時の説明事務違反を認めた判決がある。
だが、普通の生命保険においては、加入する前の説明と話が違っていたとして払込金の返還、慰謝料などを求めて訴訟提起しても、加入者側が勝訴した例はこれまでなかったと思われる。
少なくとも、普通の生保においては説明を聞いていれば加入者には十分に理解できるはずで、また、契約のハンコを押してしまった以上、後で文句をいっても加入者の自己責任とされて来たからだ。
ところが、今年10月、東京高裁で、ソニー生命の有期払込終身保険に関して、加入者(原告)側が逆転勝訴。勧誘したソニー生命営業社員は、契約に付随する説明義務に違反する行為があったとして、使用者責任上、ソニー生命に損害賠償しろとの画期的な判決が下りていたのだ。
原告が請求した損害額は約330万円。判決は、原告側にも過失があったとして請求額の6割しか損害賠償を認めていない。しかしながら、この判決が持つ意味は実に大きいと思われる。

●勧誘時のチェック機能を、法的に強化すべきとの声も

しかも、この事件、ソニー生命側は異様にその事実を否定、徹底して争ったのは、決して不良社員が引き起こした特殊事例ではなく、水面下では、加入者の飽和状態、外資の参入による競争激化などのなか、詐欺や錯誤まで含めた問題の勧誘が相当数あり、1つでも事実を認め、解約が続出したら一大事との懸念もあってのことのようだ。
こうしたなか、弁護士会の勉強会では、生保勧誘に関し、一般人の認識以上に高額な社員営業マンの手数料開示、加入者の収入チェックは自己申告でなく書類確認の義務付けを始め、チェック機能を法的に強化すべきとの声が出て来ている。強化されれば、営業がいま以上にしにくくなるのは必至だろう。

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