アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

奥田日本経団連会長「再生機構行き」発言に、ミサワ株主が怒りの記者会見。提訴も

  • 閲覧数(1)

●発言を撤回しない場合、奥田会長に損害賠償請求訴訟提起も 本紙は、11月25日、奥田碩日本経団連・トヨタ会長がパーティー終了後の記者との立ち話中の「ミサワ再生機構行き」発言は、とんでもないと、何度も指摘して来た。 ミサワホールディングス(以下、ミサワホーム)の株主のなかにも、同じ思いを持った方がいた。当然といえば当然で、実は11月30日午後1時から約1時間、都内帝国ホテル「楓の間」で、弁護士と共に記者会見をしていたことが判明した。 その株主とは、ミサワホームの取引先企業の元社長でもある荒井敬一郎氏(71歳。庫県芦屋市在住)。 まだ、ミサワホームが産業再生機構に支援要請すらしていない段階で、奥田会長が「ミサワの支援は産業再機構の活用が前提」旨の発言を行い、それが2日後の「読売新聞」一面を大きく飾り、結果、ミサワに契約キャンセルが続出、資金繰りが一挙に厳しくなり、本当に再生機構行きしなければならないような厳しい事態を招いたのだ。 このため、荒井氏は「奥田会長の発言は不適切。結果、受注に影響が出ている。株主として認められない発言だ!」として、発言の撤回を求め、文書で要請することを発表した。しかも、奥田会長が発言を撤回しない場合、東京地裁に奥田氏を相手取り、損害賠償請求訴訟も提起する考えもあると述べた。 ●ニュースに値しない!? 大手マスコミ報道せず 時の経団連会長、「世界のトヨタ」の会長が、わが国有数のプレハブ住宅大手の上場企業ミサワホームの再生に関する発言で、提訴されそうな雲行きなのだ。しかも、この処理の背後には、UFJ銀行、竹中平蔵大臣との関係などもある。多少ともまともで、問題意識のある記者なら、これは大「ニュース」であり、少しでも早く、詳細に報道したいと思って当然だ。 ところが、本紙もこれまでこの事実を知らなかったのは、大手マスコミが沈黙を保ったからだ。 もちろん、荒井氏の狙いは、この株主としての怒りを世に訴えたいからに決まっている。そこで、当然ながら大手マスコミには声を掛けていた。 「大手ばかり20社ほど来ていたのではないでしょうか。朝日、読売、共同、時事、日経、テレビでは日テレ、TBSが来て、もちろん撮って行きましたよ。しかし、結局、記事にしたのは共同・時事の両通信社と、その配信を受けた東京新聞、神戸新聞ぐらいでした」(関係者) 共同、時事は自分の媒体をもたない。つまり、大手は一切、報じなかったのだから、これでは本紙が気づかないのも当然だろう。 「そのため、頭に来た荒井さんは、何社かになぜ記事にならなかったのか尋ねたそうです。そうしたら、これは“ニュースでないですから”と言われたそうです。それなら、なぜ取材に来たのでしょう。トヨタの圧力、また、最大のスポンサーであることから、マスコミ各社の上がストップをかけたに違いありません」(前出・関係者) 本紙も、この意見に同感である。 何しろ、トヨタの年間広告費はわが国1位。実に約950億円(03年度)にも上るのだ(武富士などのサラ金大手が約100億円)。 ●日経記事、「再生機構活用前提にトヨタがミサワに10%程度出資」の背景 上記に掲げたのは、12月2日付け「日経新聞」一面に載った記事だ。 この見出しを見ると、11月27日の「読売新聞」のミサワホームの再生機構活用を、「日経新聞」が追認したようにも思える。だが、この記事は実はひじょうに意味不明な内容になっているのだ。 本紙が何度も述べているように、トヨタ側は住宅部門の不振からミサワホームを手に入れたいのだ。だから、5割以上出資して経営権を握らないと意味がない。 ところが、ミサワホーム本体も、創業者・三澤千代治氏が関わるミサワファンドも自主再建にこだわっているし、実際、それだけの余力がミサワホームにはある。そのため、トヨタは一時M&Aすることも考えたが、三澤氏等から猛烈な反発を食らい、これ以上、M&Aに固執すると「カネの論理」だけで強引に、と世の反発を招くからと諦めた。 そして、繰り出されたのが問題の奥田会長発言。 日本経団連会長としての大きな発言力を悪用、1私企業トヨタのために再生機構行き=倒産=信用不安をわざわざ起こし、ミサワホームの資金繰りを作為的に悪化させ、同社自らが再生機構入り、トヨタの支援を仰がざるを得ない状況に追い込んだのだ。 それは、奥田会長の狙い通りうまくいった。 ●トヨタ内部からも、奥田氏発言に“やり過ぎ”の声 だが、予想外だったのは、前出の株主の記者会見だった。 その発言の事実は、巨額広告を背景に、大手マスコミにおける報道は何とかもみ消した。しかし、提訴されたら、これまではもみ消せない。日本経団連会長辞任は必至だろう。否、本来、あの奥田発言をした時点で、辞任せざるを得ない状況に追い込まれないこと自体おかしいのだ。力があれば、何でも許されると言うことか。 「奥田氏の発言には、さすがにミサワ関係者以外にも、内心はカンカンの方は少なくないんです。“道具”のように名前を出された再生機構にしても、うち(国)の方が格下なのかと心穏やかでない。しかも、トヨタ内部でも、“あれはやりすぎ”と、実は奥田会長は完全に浮き上がっているんです。そこで、発言撤回はしないが、まずは“本心は50%。しかし、表面上は経営権を握らず、持ち分適用対象にもならない20%以下の出資”と発言しておいて、しばらく様子を見ようと……。そして、こうして引いたのだから、提訴しないでくれというサインなのでしょう」(事情通) その結果、この「日経」の相矛盾する記事内容になったようなのだ(以下、続く)。…

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧