アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第62回「チャンピオン太と力道山の栄光」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 水島新司が亡くなって思ったことは、フィクションの世界とプロスポーツの実在する球団や選手がマンガのなかでからむ源流は、ちばてつやの『ちかいの魔球』(「週刊少年マガジン」1961~62年)あたりかなということ。巨人軍に入団した主人公の周りには、長島も王もいて、監督は川上。実際の試合(たとえばその年の日本シリーズの巨人・南海戦)のなかでも架空の主人公が活躍する。
野球マンガはその後もこうした虚実まぜこぜのドラマが多く描かれたが、そこでもう一つ思い出したのは、プロレスを舞台にした『チャンピオン太』(「週刊少年マガジン」62~63年。原作・梶原一騎。作画・吉田竜夫)なのだった。これは大東太という少年レスラーが力道山の弟子になり、「ノックアウトQ」という必殺技を武器にプロレスの世界で活躍する。62年のワールドリーグ戦にも出場し、1位決定戦は力道山とルー・テーズで(これは本当)、3位決定戦は太とグレート東郷と、これまた虚実まぜこぜで面白くしている。
 この『チャンピオン太』は同じ年にテレビドラマ化されDVDも出ている。ユーチューブでもタイトルのシーンを見ることができるが、日本プロレス協会が全面協力して、実際の力道山が師匠役で登場。大東太はせいぜい15歳くらいで、こんな少年がプロレスで活躍すること自体、不自然なのだが、まあスポ根ものの変種として楽しめる。
 そこで最近発見したのは、若きアントニオ猪木が出演していることだ。それも死神酋長という不気味な悪役レスラーの役で、画像を見ただけでは猪木とは思えないのだ。ドラマでは当時、力道山とともに活躍した豊登、遠藤、吉村も登場し、あの時代のプロレスが少し見えてくる。貴重だね。

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