アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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児相は子どものことを一切考えない!? 元里親が「子どもの心が壊れる!」と引渡差止求め提訴

 児童相談所--全て児童は適切に養育され成長する権利を有することを謳う児童福祉法の12条に基づき各都道府県に設けられた児童福祉の専門機関。親の虐待、離婚・入院などによる養育困難など養護相談は主要な目的で、子どものことを一番に考え対処すべきであることはいうまでもないだろう。
ところが、それに反することが行われているとして、沖縄県那覇市在住の小橋川学(56)・久美子(55)夫婦(冒頭写真)は昨年12月29日、県とコザ児童相談所を相手取り、里子のHさん(5)の引渡しを求めてはならないとの判決を求めて那覇地裁に提訴した。
もっとも、すでに今年1月4日、Hさんは児相職員により自宅から連れ去れてしまったのだが、なぜ、小橋川夫婦は提訴するに至ったのか?
その経緯に関しては、すでに「琉球新報」など一部大手マスコミで報じられており、それら記事が、小橋川夫婦が1月10日から署名活動を始めた「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」に転載されているのでそちらを見ていただくとして、ここではその概要を紹介するに止める。
訴状などによれば、小橋川夫婦はHさんを里親委託措置(児童福祉法第27条第1項第3号)により里子として生後2カ月にして2016年7月に預かり、以来、約5年半に渡り育てて来た。
夫婦はこれまで4名の里子を預かり、内1人は特別養子縁組をして長女として育てており、Hさんは次女として姉妹のように仲良く家庭生活を送って来た。そして、Hさんは小橋川夫婦を実の両親と思っている。
これに対し、実母は18年末ごろからHさんに面会を求めるようになるも、コロナの影響などもあり延び延びになっていたなか、昨年に入り、コザ児童相談所は真実告知(本当の親は別にいると告げること)と実母との面会を強固に求めていた。
 だが、小橋川夫婦はHさんがまだ幼い上、発達障害であることから、その求めるに応じると、Hさんが精神的に不安定になり、取り返しのつかない深刻な影響を与えてしまうと考え、医師とも連携しながら、Hさんの心が傷つかないように少しずつやって行きましょうと提案していた。
だが、コザ児童相談所はこれを拒否。昨年12月14日、里親委託措置を22日を持って解除するとの文書を突如送付して来た。
これに対し、小橋川夫婦はHさんらが楽しみにしていた年始年末のピアノの発表会、友だちが自宅に泊まりに来ることだけはやらせてくれと延長を相談。すると児相は里親委託措置を1月4日まで延ばす代わりに、裁判をしないこと、マスコミ等にこの件を漏らさない合意書面を交付。また、引き渡さない場合は誘拐罪で告訴すると脅して来た。そして、これらを記した書面にサインしないと予定通り12月22日にHさんは連れて行くと迫った結果、小橋川夫婦はやむなくサインした。里親の権利はひじょうに弱く、児相の指示に法的に対抗するのはほぼ無理なのが現実だ。
もっとも、ここまで読んで、読者の中にはそうはいっても、実母がHさんを引き取る環境が整ったのであればいいのではないという方もいるかも知れない。
既報の大手マスコミではこの点、個人のプライバシーに配慮してかまったく触れていないが、この点が極めて怪しいこともあり小橋川夫婦は提訴したのだ。そして、児相もそのことはよくわかっている。

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