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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第59回「『流行語大賞』は流行ってない!」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 年末の「流行語大賞」というの最近思うんだけどさ、どこが流行語なんだかチンプンカンプンのが多い。「年寄りには分からない」と言われればそれまでだが、そもそも流行語というのは老若男女、あらゆる世代で共有できるもので、身内、学校、職場、友人同士の会話で飛び交うものでなければならないのだ。
というわけで、これぞ流行語だというのを、こちとら10代~20代(60~70年代)の頃から振り返ってみることにした。まずは、思わず口に出るタイプ。
「シェー!」(『おそ松くん』のイヤミ)、「ニャロメ!」(『もーれつア太郎』の猫)、「ガチョーン!」(谷啓)、「オヨヨ」(桂三枝)、「アサー!」(谷岡やすじのマンガに出てくる鳥)、「ハイ、それまでよ」(植木等の歌)、「びっくりしたなぁもー」(てんぷくトリオ)、「あっと驚く為五郎」(ハナ肇)、「ちょっとだけよ」(加藤茶)、「しあわせだなあ」(加山雄三)、「やったぜベイビー」(大橋巨泉)、「アジャパー」(伴淳三郎)。
こんな感じで、大体マンガの中か、CM、流行歌から出たものが多い。一方で社会現象的な流行語といえば、「ゲバ」「ハレンチ」「モーレツ」「フィーバー」「ハッスル」「バカンス」「ウルトラ」「現代っ子」「フィーリング」「リブ」「アンノン族」「カミナリ族」「シラケ」「ルンルン」「フーテン」「サイケ」「アングラ」「ボイン」てのが思い浮かぶが、面白いのは本来の意味から離れて拡大するところだ。
 たとえば「ウルトラ」なんて、東京オリンピック体操競技の「ウルトラC」から『ウルトラQ』『ウルトラマン』など特撮関係でおなじみになるし、「モーレツ」も小川ローザがセクシーポーズのCMからモーレツ社員なんて言葉に発展するし、「ゲバ」なんて、学生運動用語(ドイツ語のゲバルトからゲバ棒、ゲバ学生、内ゲバ)から、テレビの「巨泉・前武のゲバゲバ90分」とか、『老人と子供のポルカ』で左ト全が「やめてけ~れゲバゲバ」なんて歌ったり、津々浦々にまで認知されるという醍醐味があったんだよ。

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