「シーボニアヨットクラブ」(SYC略)という、わが国トップクラスの名門ヨットクラブがある。
創立は1968年。
その歴史は、わが国ヨット発祥の地である神奈川県三浦半島小網湾(三浦市三崎町小網代)に「シーボニアマリーナ」(冒頭写真=SYCのHPより)が作られた翌年まで遡る。クラブの場所も同じ。
ちなみに、「シーボニア」とは「SEA+BORN=海から生まれる」という意味。
以来、半世紀以上を経て、SYCの理事会は今後の50年を見据え、木村平右衛門理事長(下右写真)を委員長として改革委員会を作り、クラブの在り方を検討した。背景には、SYCは各界におけるヨットを趣味とする者300人限定(入会には会員2名の推薦、審査、理事会の承認必要。また300万円近い諸費用がかかる)で組織されていたが、約120名にまで減少していることがあった。
この問題を解決するためには、現在の組織を大きく変えて、一部の会員が楽しむだけでなく、船を所有していなくても楽しめるヨットクラブにして行こうということになり、(1)現在、SYCは①クルーザー、②パワーボート、③小型ヨットの3部会から成るが、③はマリン部会に変更し、こちらは誰でも遊べる機能を持った部会にすること、(2)現在、クルーザー部会の理事が多いが、理事は各部会から均等に選出するといった方向で検討していたという。
さらに、これまでSYCは任意団体だったが、一般社団法人化し組織の在り方をガラス張りにする方向性も決まっていたという。
ところが、改革委員会のトップである木村理事長は一転、クルーザー部会の一部理事らと結託。最終決定の場である会員総会決議につき、例年、多くの会員は白紙委任状を出していることを悪用、電話で仲間の理事に例年通り白紙委任状を出すことを強要し、これら改革案を潰させた。さらには、改革案に賛成した理事4人を追放すべく、木村理事長は自分が会員総会の議長である権限を悪用してこの動議を認め、4人を罷免したという(*白紙委任状は前もって出された議案のみ有効のはず)。
こうしたことから、現在、SYCは従来のクラブと、予定通り、今年3月1日に設立された一般社団法人の同名「シーボニアヨットクラブ」(種子田吉郎理事長。住所はSYCと同)の2つに分裂。そして、どちらが正当かで現在、東京地裁で係争中になっている(冒頭写真のSYCのHPトップには、「一般社団法人シーボニアヨットクラブを名乗る団体とは一切関係がございませんのでご注意ください」との記載が)。
それにしても、なぜ木村理事長はそんな行動に出たのか!?
そこで浮上するのが、この記事タイトルにあるように、木村氏のクラブ私物化の疑惑、そして女性スキャンダルなのだ。