プロフィール 投資歴22年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は30,382円と、前稿比+1,254円(※+1487⇒ +628→ ▲964→ +157→ +536→ ▲264→ ▲455→ +63→ ▲843→ ▲283→ +102→ +16→ +6→ ▲207→ +831→ +234→ ▲1274→ +337→ ▲662→ ▲85→ ▲86→ +677→ ▲615→ +74→ +854→ ▲102→ ▲1051→ +497→ +741→ +1,116→ ▲968→ +112円→ +380→ +695→ +681→ +106)の2種連続のド級の株高となった。しかしその夜の米国市場では景気不安懸念が再燃し、日経平均CFDは30,151円、先物は29,940円(※9月末の配当分だけ安い)まで下がって引けている。
TOPIX(東証1部全体)は、終値2,092ポイントと週間で+77P高(※前項は+86⇒ +48P)の年初来高値だが、金曜夜の先物では2,059Pまで下落している。
そしてNYダウは、週間で-761ドル安となる34,608ドル(※前稿比▲87⇒ +246→ ▲305→ +306→ +274→ ▲127→ +374→ ▲182→ +94→ +352→ +1144→ ▲1466→ ▲276→ +227→ +321→ ▲174→ ▲396→ +735→ ▲158→ +400→ +492→ +237→ +444→ ▲129→ +1207→ +564→ +460→ +44→ +335→ +1140→ ▲1014→ +182→ ▲284→ +492→ +427→ +133)で、前稿から指摘していた、テーパリング前の不景気が現実味を帯びてきた感がある。とはいえ、まだそんなに極端にリスクオフの流れが加速している感もない。
今週も日経平均株価指数は快調に値を伸ばしたが、米国市場をみると、NYダウとS&P指数は5営業日連続の続落、ナスダック指数は3営業日連続の続落である。挙句の果てに、先週金曜日のNYダウ指数が75日線(34,790ドル)を下抜けてしまった。これをみて、筆者はリスクヘッジのために日経平均先物12月限を空売りしている。
先週の筆者は、前稿で予告したとおり、週末金曜日のSQ後、AM10時にかけて下がっていく日経平均をみて持ち株の売却を開始した。「大紀アルミ」、「UACJ」、「ヤマハ発動機」、「マクニカHLDGS」がそれだ。
その結果、筆者の資産はかなり減り、現在の保有で大きい順に(1)「酒井重工業」(6358)、(2)「東京電力」(9801)月曜日に買い増し、(3)「三井住友FG」(8316)、(4)「AFC-HD」(2927)、(5)「ホットリンク」(3680)で、信用維持率は89%まで上がってしまった。
売った直後はSQ後のリスクオンとなり多少悔しい気持ちがあったが、当初の方針を曲げなかった。それは、これまで散々SQ後に潮目が変わる瞬間に立ち会ってきたから。現在(日曜日)においてもその判断は間違っていなかった!?はずだ。また、土曜日AM1:00には、底値でうまく仕込めていたマザーズ先物12月限も売却した。
こう書くと、読者諸兄は「筆者がこれで株高がいったん終了とみている?」と感じられるかもしれないが、実は全然そんなことはなく、現時点では週末か来週早々にフル参戦を予定している。もしかしたら、総裁選がある29日までしか株価が持たない可能性もじゅうぶんあるため稼げるうちに稼いでおきたいものだ。
筆者が先週に持ち株を売却したのは、テクニカルでいえば日経平均騰落レシオ(25日)が現時点で139.1%まで上がっていることもある。さすがに、これ以上の上値を追うことは躊躇感がでるだろう。ただ、日経平均の25日線からの乖離率はまだ7.4%で、TOPIXはさらに下であり、過熱ゾーンの15%はまだ遠い。マザーズも7.8%程度なので筆者の見立てが間違いで、来週早々にブーストがかかる可能性もじゅうぶんあるだろう。
そもそも、日経平均のPERは通常14~16倍のレンジに収まることが多い。これまでの歴史から、仮に2022年度EPSが2200円程度(※ソフトバンクのepsはかなり不気味)だとした場合、30,800円~35,200円まではじゅうぶんありえる株価位置だろう。またTOPIXに関しては、「S&P株価指数に、-4くらい劣後したPERになることが多い」とはよく言われた話で、そうなると「S&P」は現在22.1倍。「TOPIX」は16.49倍であるため、18.1倍程度までは買われて、ようやく通常まで戻った感がでるだろうか!? そうなればTOPIXは2299Pである。
またまた9月1週の海外投資家の買い越し金額を見ると、まだまだ全然買ってきていない事実に気が付く(※テクニカルの項参照)。仮に+1,254円上がった9月2週目も、+6000億円近辺の買い越しならば、ここまで年初からの売り越し模様をチェックする限り、この株高が序曲にすぎないようにも思えるのだ。
ただ、今週の金曜日は総裁選に向けての出馬が出揃ってくる出馬表明段階であり、新規の材料は石破氏が出るか、はてまた安倍首相が再登板するようなサプライズがないかぎり材料に乏しくなり落ち着きをみせるだろう。
現在の総裁選の下馬評をみると、河野氏、岸田氏、高市氏の総裁選になっているが、報道をまとめると、石破氏が出馬せず支援にまわるのなら河野氏が圧倒的な本命となり、一回目の投票で過半数に達する。そうなると岸田氏を支援する安倍、麻生の長老政治が終わるとなり政治は大きな変化が起こることとなる。海外勢は、もともと英語が堪能で外相経験者である若い河野氏に期待している節があり、9月29日に彼が総裁決定となれば一時的にご祝儀で株式市場は買われそうだ。その後は、衆議院選挙が10月21日にあるものの、与党の過半数割れはありえない状況で、ここまでは国内においては大きな不安はない。この後も11月3日にFOMCがあるので、ここでテーパリング開始に市場が耐えられるか? が問われるを確認する展開となるだろう。今週からは、10月いっぱいまで米国の経済統計はいつも以上に価値のあるものになりそうだ。