アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(840)「旧村上ファンド系の新たなターゲット!?」

 本題の前に、「投資の予想屋にご注意」といっておく。
1999年に発覚した「プリンストン債事件」という大規模な金融詐欺事件があった。
このプリンストン債、クレスベール証券がわが国法人相手に販売したプリンストン社というペーパーカンパニー発行の私募債券。このプリンストン社は、米国の有名相場師であるマーチン・アームストロングが設立。当時、このアームストロングの相場見通しが株式業界紙に掲載されていたが、証券マン、ファンドマネージャー始め個人投資家には必読記事となっていたほど、わが国の投資家からは絶大な支持を得ていた。結果、わが国企業はこのプリンストン債で投資し計1200億円もの損失を被る。
では、なぜ資金運用のプロ始め日本人投資家は彼の相場勘に心酔したのか? これは簡単で、未だに彼の手法を真似た有名人もいる。手法の基本はこうだ。
1月に「ダウは5月に2万ドルになる」と予想したとしよう。その条件にいつまでに1万5千ドルになればといった条件を付ける。そして3月、4月と時が経てば、予想を修正し、常にいくらになれば、いくら以下なら、こうなると解説する。しかし、そのいくらはまずは短期間では不可能な値段を設置する。こうやって、あたかも予想が当たり続けているように錯覚させるテクニックはさすがだった。しかし、実際の運用は下手で大損をし、元利支払いは新たな資金を当てる自転車操業の「ポンジ・スキーム」(=詐欺的手法、特に投資資金を募りまともに投資しない場合を指す)だった。
よく証券関係のプロが、〇日線を超えたらこうなる、といった解説をするが、実際に超えるとまた予想を変更する。そうやって永遠に予想的中と錯覚させる。その典型が「予想変化日」で有名で、未だに日本にも信者の多いレイモンド・メリマン氏(米国人アナリスト。冒頭写真)であろう。
どうも日本人は外人の予想屋には弱いようだ。なお、彼は運用をしていないため、予想屋として生き残れているのかもしれない。

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