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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第49回「『にっぽんセクシー歌謡史』は必読!」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 本屋で見つけ表紙とタイトルだけで中身もろくに見ないで買ってしまった『にっぽんセクシー歌謡史』(馬飼野元宏著。リットーミュージック刊)は、今年上半期のベストともいえそうな労作である。
「セクシー歌謡」(お色気歌謡)とは何か? 本書の前書きを引用させてもらうと「男性の願望を投影して生まれたものだが、歴史順に辿っていくうち、男に尽くすだけの貞淑な女性像から、次第に女性が強い意志をもって拒絶や自己主張をするように変化していった。70年代前半には、女性たちの表現も男からの自立が、女性主導型で歌われるようになっていく」「ことに1973年は、山本リンダの『狙いうち』と、夏木マリの『絹の靴下』と、金井克子の『他人の関係』と、山口百恵の『青い果実』が同時に世に送り出されたエポックな年であった。本書ではこの1973年をお色気歌謡史のターニング・ポイントであると考え、ここを頂点として前後編に振り分け構成を試みている」とある。
 1973年はこちとら20歳。本書の展開から、自分の10代半ばから20代半ばくらいまでが歌謡曲の黄金時代であったことが良く分かった。そんな中でセクシー歌謡として輝いていたのが、青江三奈、奥村チヨ、小川知子、黛ジュン、辺見マリ、ちあきなおみ、安西マリア、山本リンダ、オーヤンフィフィ、夏木マリ、金井克子、山口百恵、西川峰子といった顔ぶれである。
何がセクシーかというと、歌の合間に「ア、ハーン」とか、ため息を入れる。歌詞がエロティックな想像をかきたてる、挑発的なコスチュームやアクションなど、まさに多くの青少年を虜にしたのだった。

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