「門田隆将」氏といえば、最近では、本紙既報の「愛知県知事リコール不正署名事件」の元になったリコール運動に関し、『月刊Hanada』特別号『“愛知のテドロス”大村知事リコール!高須克弥院長熱烈応援号』(20年8月)に小川榮太郎、竹田恒泰、高橋洋一、ケント・ギルバード各氏らと並んで寄稿しリコール支持の論陣を張ったかと思えば、ツイッターでトランプ前米国大統領は先の大統領選で本当は勝っていたとの陰謀論を撒き散らした御仁。 本紙とは“分野”が異なるので無視していたが、筆者の柳原滋雄氏とは武道を通じて知人であることから献本を受け、前書きに目を通したところ、『週刊新潮』の副編集長だった門脇護氏と同一人物と知って、そのまま一気に読み終えてしまった。 というのは、誰の関係でか忘れたが、門田氏とは面識ないものの、彼が新潮社を辞めて独立する際のパーティ―(08年4月)に本紙・山岡も出席していたことを思い出したからだ。ちなみに、そのパーティーには同じく『週刊新潮』出身の今や売れっ子ジャーナリストのM氏もいたので声をかけたが名刺の受け取りさえ拒否されてしまった。 本書は門田氏の『週刊新潮』時代の前歴検証に多くを割いているが、本紙・山岡が特に衝撃を受けたのは、第2章で、彼がデスク時代、「大石寺『僧侶』を衝突死させた創価学会幹部」というタイトル記事を出した経緯を検証した箇所。 『週刊新潮』といえば、かつて学会叩きを売りにしていた。 ところが、この記事作成を巡り、事故を調べた保険会社も責任は0対100で、死亡した大石寺の僧侶側にあり、学会員は一方的な被害者と認識しながらも、当時、大石寺と学会は大バトル中だったので話題になると、あえて学会員の方が「衝突死」させたとタイトルを付け報道。名誉棄損で新潮社は完敗するのだが、門田氏は証人尋問で衝突死させたのは事実と一切非を認めなかった事実。ハッキリいって、これが真実ならジャーナリスト以前に人間としてどうかと思わざるを得ない。 こういうと、門田氏は著者の柳原氏も学会員だからと反論して来そうだ。 だが、本紙・山岡は交流のなかで、柳原氏は思想・信条は異なれど、人として信頼できるし、本書の内容も訴訟記録を元にするなど裏づけはシッカリしているし、それに基づいた論評も同意できることばかりだった。 念のために断っておくが、本紙・山岡は学会員でないどころか学会嫌い。学会批判記事もたくさん出している。 (1500円+税)…