アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第42回「なりたい職業は会社員?」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 こないだ新聞で今の小学生が将来なりたい職業は何かというアンケートをとったら、男子は会社員、女子はパティシエがトップだというのでびっくりした。まあこちとら小学生時代(50数年前)は、パイロットとか野球選手だったけどね。それでも会社員ってなりたい職業になるのかね。宇宙飛行士、エンジニア、ジャーナリスト、カメラマン、医者、弁護士、科学者とか、あこがれる仕事はいろいろあるだろうに。
それで、その会社員に成りたい理由というのがまたびっくりだ。コロナ禍で仕事がテレワークになったから、親父の働く姿を身近に観て、自分もああなりたいなというんだと。それって違うんじゃないのか? もし自分が小学生で毎日毎日テレワークやってる親父の姿を家で観てたらうんざりすると思う。まあ実際は大企業の恵まれた連中の家族だろう。
 それで思い出したのは、俺らも小学生時代、会社員=サラリーマンにあこがれたことがあった。何でかというと、映画では、植木等の『ニッポン無責任時代』とか、森繁の『社長』シリーズとか、テレビでは『スチャラカ社員』とか『若い季節』とか、お気楽・C調・無責任のサラリーマン・コメディ全盛時代だったのだ。
特に青島幸男作詞のヒット曲は、小学生も歌っていた。植木等が「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ~」と歌い出すと、「ああ、早く大人になってお気楽なサラリーマンになりたいよ~」と思ったもんさ。それにしても、あの映画やテレビドラマの会社員たちは何の仕事をしていたんだろう。一方、現実はお気楽どころか、パワハラ、セクハラ、サービス残業当たり前で、「猛烈社員」なんて流行語もあったのが1960年代の実態だったのだ。

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