新型コロナ治療薬開発をブチ上げ相場操縦疑惑が出ている「テラ」(2191。JQ)に関して報じる前に言いたいことを述べる。
現在、株式市場は空前の金余りでバブルの様相。ただし今回は、昭和バブル、ITバブル時と比べても資金の運用先に困っている機関投資家は多いようだ。
そんななか、東証は昨年末、現行の「市場第一部」、「市場第二部」、「マザーズ」、「ジャスダック」の4市場区分から、「プライム」、「スタンダード」、「グロース」の3市場区分へ22年4月までに移行することを明らかにしたのはご存じの通り。
プライムは東証1部より基準が厳しいため、当然、現在東証1部でも同市場に入れない企業は続出すると思われる。また、コーポレートガバナンスも強化され、現東証1部企業は、独立社外取締役2人以上から3分の1以上と強化される。しかもプライム市場は上場維持費の値上げが噂されている。老舗で知名度も余り必要のない企業は株式市場から新たな資金を導入する必要もなく、この際MBOで上場廃止を検討している企業が多いようだ。しかも金融機関は未曾有の金余りのため、大口融資となるMBOには積極的に融資したいだろう。すでに大手証券は、めぼしい上場中堅企業にMBOを勧めているという。
上場維持費、四半期決算、社外取締役、インサイダーのリスク、逐一IR必要など、知名度の必要がなく財務に余裕のある企業にとっては上場はもはやデメリットでしかないのかも知れない。また、コロナが長引いており、金融機関は飲食店チェーン、ホテル、電鉄などの買収、合併も提案しているようだ。