本紙でも何度も詐欺疑惑案件を取り上げて来たが、相変わらず暗号資産(仮想通貨)に関する同様の案件が横行しているようだ。
今回、新たに本紙に告発があったのは「ステラゴー」(Stellargo)。
ホワイトペーパー(下写真)などによれば、暗号通貨のなかでもビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)はすでにかなり利用され一定の地位を築いているものの、しかし送金に時間がかかるとか、スケーラビリティの問題を抱えているが、これらの問題を解決し、誰でも日常生活において簡単に利用できるのがこのステラゴー(XSG)だという。
具体的には、海外送金するのにビットコインは1時間、イーサリアムも15分程かかるが、このステラゴーは3~5秒で済むという。しかも送金手数料は1セント以下とひじょうに安く済むので少額の送金にも非常に向いているという。
また、従来は金融機関ごとのアプリを起動させないと振込履歴やクレジットカード利用歴などチェックできなかったが、このステラゴーはすべてのアプリを一元管理できる。そして、主要25カ国の法定通貨と両替も簡単にできる。さらに給与前払いシステム、個人ファイナンス機能も付くという。
なぜ、そんなことが可能かというと、この暗号通貨の名前からも察せられるように、暗号通貨の時価総額でトップ10に入っている「Stellar」(ステラ)を開発、そのステラを派生させたリップルの創業者でもあるジェド・マケーレブ氏がこのステラゴーのプロジェクトに協力、そして、ステラゴーはこのステラのネットワーク上で発行される独自トークンだから。ジェド氏は以前からビットコインなどより早く安く送金できる暗号通貨を、諸事情から銀行口座を持っていない人々のために開発したいと強く思っていたという。
これだけ聞けば、確かに何とも優れた暗号通貨のように思える。
何しろ、世界人口の31%が未だ銀行口座を保有しておらず、それが所得格差に繋がっているというのだから(また世界で2億人以上が母国外で働いており、母国への海外送金需要がひじょうに高いとも)。
もっとも、このステラゴー、これほど画期的で、ジェド氏が深く関わっていると思われるのに、なぜかステラゴーのHPでのメンバー紹介のなかにそのジェド氏の名はない。また、ネット上で大きくは勧誘されておらず、勧誘対象者は口コミで日本人だけだった模様だ。