アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(192回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(7月27日~7月31日)

■プロフィール 投資歴22年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は22,752円と、先週末比+56円高(前稿比+405→ ▲15→ ▲206円→ +33円→ +184→ ▲559→ +1056円→ +1420円→ +351円→ ▲142円→ +560円→ +357円→ ▲635→ +398円→ +1679→ ▲1569→ +2845→ ▲878→ ▲3318→ ▲393円→ ▲2245→ ▲301)と上昇した。しかし木・金で崩れ、日経平均CFDは、22,367円と-385円安で戻ってきている。
また先週のNYダウは、週間で-202ドル安(前稿比+597→ +246→ +812→ ▲855→ +265→ ▲1505ドル→ +172→ +918→ +780→ +354→ +607→ ▲51→ ▲457→ +524→ +2666→ ▲585→ +2463→ ▲4012→ ▲2679→ +456→ ▲358)の、26,470ドルと小幅調整した。
先週を一言でいうならば、「世界の投資マネーに、わかりやすい異変が起こりはじめた」、といった感じだろうか。
まず為替レートが変だ。ドル円で7月25日(土)現在、106.14円と、説明がつかない一気の円高基調となっている。106円を割れると節目抜けで非常にまずいことになるが、先週は一時105円台に突入したことから、リスクオフ局面では円高が日本市場を襲いそうだ。ここまでの株式市場の戻り上昇局面では、米国のリスクオンはドル安・円高であったが、先週の日本の休場中はリスクオフで〝円高〟の動きと、昔ながらの動きだったことも気になる。
また、米国10年債権の利回り低下が止まらない。基本的に、国債が買われているということはリスクオフの典型的な動きのはず。先週は、米中の総領事館に関する政治的な問題が勃発したことも、流れに掉さす結果となったと思われるが。ここまで買われ続けるということは、それだけではないと考えたほうが賢明だろう。
またコモディティ(金・銀)の止まらない値上がり、の報道も耳にされないだろうか!? 金はNY先物で、1トロイオンス1900ドルを突破して、2011年9月の最高値まであと少しのところまで迫っている。この金の値上がりも、従来ならリスクオフで起こるものだが、いまは需給で起こっているように思える。要するに、株も不動産も暗い市況のため、行き場のない資金が金や・銀に向かっているのではないか!?
さて、今週のストラテジーへと移りたい。前述したように、至るところで発生しているバブルや、その反面、リスクオフの典型的な動きがあるものの、このまま株式市場にリスクマネーが滞留して、また今後新規マネーを呼び込んでいくのかは、現段階でははっきりしない。
しかし、そもそも現在の株式市場は、U字回復を織り込んでいる状況。しかし6月中旬から、米国でも日本でも、新型コロナ肺炎が蔓延して第二波となっているため、そろそろ発表される経済指標に、ネガティブサプライズが発生する可能性もじゅうぶんに高いものだとみている。
また、米国のワシントンサービスの調査では、現在多くの内部関係者が売りに転じている、というデータが出ているようだ。過去30年で、現在よりも、買いに対する売りの比率が高かったのは2回しかないようだ。要するに「企業内部関係者が、株式の売却を進めている」ということのようだが、これはわかりやすく「現在が天井圏である」ことを指し示していると考えていい。
ただ、日本市場の週明けは、日本市場で一番売買代金が多い「日経平均レバレッジEFT」(1570)に、逆日歩が160円もついていることから、空売りの買い戻しがありそうだ。
それでも筆者は、「今週から株式市場は徐々に調整する」という見方で市場に挑みたい。こう考えるのは、ここから株式市場に燃料がないからだ。
すでに米国の追加経済対策は共和党がまとめており、1兆ドル規模、追加失業保険手当は、週間200-300ドルだと報じられている。週明けに両党合意に向かうと思われるが、これがあるにもかかわらず、先週末の米国市場は調整した。はっきりいって、市場の動きをみていて、この材料がなければ大暴落していてもおかしくなかったように感じた。また米国では、新型コロナ肺炎の【死者数】が明確に増えてきている。これまでは感染拡大でも死者数がそこまで増えていなかったことから楽観的なムードだったが、死者数が増えてくれば、またロックダウンに向かう流れが醸成されるはずだ。それに株式市場が耐えられるだろうか!?
おそらく、起点は、今週30日の木曜日であろう。PM9:30に発表される、「米国GDP」と、「新規失業保険申請件数」がキーだとみている。特に「新規失業保険申請件数」は、コロナウイルス蔓延の影響がそろそろ出てくると思われるので要注目だ。
そして、アップル、アマゾン、アルファベットの決算後の材料出尽くしも非常に怖い。現在、米国の決算発表はコンセンサスを上回って、株式が調整する、というパターンばかりだ。安心して売り向かって大丈夫だとみたい。

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