アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第24回「リモコーネと映画音楽の時代」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

最近の有名人死去のニュースで感じることが大きかったのは、7月6日に91歳で逝去した映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネ(伊)だね。
日本の映画音楽のトップといえば断然、伊福部昭(故人)。子どもの頃から親しんだ東宝怪獣映画の音楽だけでなく、時代劇なども沢山手がけているし、30年くらい前に伊福部が指揮するコンサートにも行ったことがあるんだ。で、洋画は断然モリコーネだ。もうありとあらゆるジャンルを手がけているけど、グッとくるのはやっぱりマカロニウエスタンだよ。
こちとら中学生の頃、マカロニ大ブームがあって、ラジオの洋楽ヒットパレードでも、『荒野の用心棒』(「さすらいの口笛」)、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』など、モリコーネのテーマ曲が流れてきたもんだ。特にこの3作品は、今までの映画音楽とは違う斬新なものだった。口笛、ムチ、鐘、変な声(うなり声とかため息とか吠えとか)、効果音、エレキサウンドとか、いろんなものを混ぜこぜにして、それがまたマカロニ特有の泥臭いディープな雰囲気にぴったりきて、今聴いても新鮮だ。
それであらためて思ったんだけど、昔の映画の多くは、いきなりタイトルが出て主演者や監督が出て、テーマ曲が流れるのが定番だった。そこで流れる音楽が楽しみの一つで、ラジオのヒットパレードの上位になったもんだ。たとえばおなじみの『大脱走』(1963年)、あのオープニングが大好きなんだ。CMでもよく使われるエルマー・バーンスタインのテーマ曲と、ドイツ軍の捕虜収容所に向かう車列がマッチして、何ともワクワクさせてくれる。当時、ヒットパレードではこの『大脱走』が1位になったけどさ、それは映画で使われたオリジナル・サウンドトラック版ではなく、ミッチミラー合唱団の口笛と合唱のバージョンだった。ただしこれもまた味があるのだ。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧