アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(185回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月8日~6月12日)

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は22,864円と、先週比+1056円高(前稿比+1420円→ +351円→ ▲142円→ +560円→ +357円→ ▲635→ +398円→ +1679→ ▲1569→ +2845→ ▲878→ ▲3318→ ▲393円→ ▲2245→ ▲301)と、2週続けての大反発となった。その後、金曜のPM21:30にでた米国の雇用統計がサプライズとなり、NYダウは空売り勢を焼き尽くすかのような上昇をみせ、日経平均先物も23,160円とさらに+300円もの上昇をみせ引けている。
先週のNYダウは、週間で+1728ドル高(前稿比+918ドル→ +780→ +354→ +607→ ▲51→ ▲457→ +524→ +2666→ ▲585→ +2463→ ▲4012→ ▲2679→ +456→ ▲358)の、27,111ドルと日本株以上の上昇となった。
先週は、金曜日の「5月米国雇用統計」がサプライズすぎた。事前予想のコンセンサスは前月比-800万人の失業者予想だったが、+250万人の増加で発表されたのだ。失業率予測のコンセンサスも、「20%」は叩き出すと思われていたが、実際は13.3%(※修正されて16.6%)まで持ち直したことになる。ようするに、新型肺炎絡みで大量にレイオフされた米国人のうち、失業保険を受給した人のかなりの割合の労働者が働き始めていることを示している。ここまで大きく経済は揺らいだこともあり、さすがに立ち直りをみせていることは事実だ。
筆者も雇用統計発表直後はあまりの乖離率に意味が把握できないままだったが、ウォッチできていたので最低限の対応はできた。ただPM11:00からのトランプ記者会見が終わった後は、日経平均先物の空売りを大きめに入れて就寝したこともあり、週明けはこのポジションを閉じる作業から始めることになりそうだ。
さて、日経平均が暴落を開始したのは2月25日(火)。当日の日経平均株価は、週初のNYダウの急落を受けて22,949円で寄り付いて、当日は-781円安となり、これが暴落のキックオフとなった。そして現在の日経平均CFD先物は、23,160円となっており、この水準を越えてしまっている。正確には、コロナショック前、本年1月~2月にかけて日経平均株価は、23,000円~24,000円台をうろうろしていたわけで、早くもこの水準に戻ったといっていいだろう。
株式投資というものは、6ヵ月~1年先の企業業績を予想して投資をする主体が多いことから、戻りが早くなることは理解できるが、果たして「1年後に、新型肺炎(コロナウイルス)に犯される前の企業実績、経済状態に戻れるか?」と問われたら、答えはNOだろう。一番間違いのないファクトではあるが、世界の新型肺炎(コロナウイルス)の新規感染者は、まだピークアウトしていないのだ。
先進国ではいま第2波を警戒している状況だが、新興国の感染拡大がまったく収まる兆しがなく、現在でもデイリーで127,950人もの新規感染が確認できている。こうなると国境は閉鎖せざるをえないため、貿易に支障がでること請け合いで、世界的に景気(消費)が回復する見通しは立ちようがない。よって日本に関しても、世界経済に影響を受ける大型株ほど、ここからの株価は厳しいものになるだろう。
またNYダウに関しては、同期間(年初~2月21日まで)は28,000~29,500ドルのラインを練り歩いていたが、現在は27,111ドル。米国のほうが新型肺炎(コロナウイルス)の悪影響を受けていることは間違いないので、日経平均のほうがNYダウよりも水準が高い、といってしまっていいだろう。ナスダックなどは、先週金曜日に史上最高値を一時越えて、現在ほぼ高値に鎮座しているが、これは別格だといっていいか。
今稿も前稿に引き続き、テクニカル指標から相場をみていきたい。
まず、日経平均株価の移動平均線(25日線)の「乖離率」から。一般的に8%の乖離で、底打ちor天井圏と言われる。10%以上乖離することは通常相場ではほぼ起こらないファクトだ。
日経平均株価指数は「22,864円-20892円」÷20892円=9.4%(※前稿時は7.6%)。日経平均CFD先物は23,160円まで上昇していることから、週明けは10%の大台にのっている! 相場には絶対はないものの、投資の歴史を紐解けば、現在は確実に行き過ぎている乖離率だといえる。
NYダウは、「27,111㌦-24,652㌦」÷24,652㌦=9.97%。こちらも確実に沸騰間近といえるだろう。ただ、NYダウは28,000ドルまでは、出来高がスカスカであるため、まだ上が狙えるといっていいか!?
次は、日経平均株価指数の価格帯別出来高でみると、過去6ヵ月・1年間の両方の売買から23,000円台乗せまでスカスカであったが、ここから24,000円まではしっかり出来高があるゾーンとなり、当然上値は重くなるだろう。
そして、筆者が一番重要視している「裁定残」については、先週に、直近の過去最高水準に溜まっていた「売り残」が逆流し、買い戻しに一役買っていたことが数字としてでている。
確かに、前回2019年9月6日に、当時2兆666億円と過去最高水準まで積み上がった際は、その後2ヵ月程度で1兆円以上の買い戻しが入り、日経平均株価は約3000円弱の上昇となったことは事実。5月26日から裁定売り残の逆流が起こっており、まだそこまで減ってきていないことから(※テクニカルの項で後述)現在、上昇相場が始まったばかり、だという可能性も秘めている。
次は空売り比率。6月5日時点で36.9%(※3月6日は過去最高52.1%)と、直近では最低。直近は「40%以下」で空売りが入ってないイメージとなることから、これも買われすぎのシグナルだろう。
日経平均騰落レシオ(25日)をみてみると138.53%(※値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数)で異常値だ。120%以上だと警戒圏、70%で底値圏だといわれる。
次はNT倍率(日経平均÷TOPIX)。現在は14.18倍と史上最高値に並んだ。こういうふうにみても異常値であるだろう。
さて今週のストラテジーへと移りたい。

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