アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(181回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(5月11日~5月15日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は20,179円と、先週比+560円高(前稿比+357円→ ▲635→ +398円→ +1679→ ▲1569→ +2845→ ▲878→ ▲3318→ ▲393円→ ▲2245→ ▲301→ ▲140→ +623→ ▲622)と反発した。土曜日に日経平均CFDを確認しても、非農業部門雇用者数が前月比-2050万人と、過去最大のマイナス数値が発表されたPM9:30「雇用統計」後の米国市場にも波乱はなく、夜間取引で20,252円と堅調推移で引けていた。
またNYダウは、週間で+607ドル高(前稿比▲51→ ▲457→ +524→ +2666→ ▲585→ +2463→ ▲4012→ ▲2679→ +456→ ▲3583)の24,331ドルとこちらも堅調だった。
さて、いつも通りこの数字から振り返るとする。新型肺炎(コロナウイルス)の新規感染者数だ。
まず感染拡大が早かったイタリアから。3月下旬には、毎日+5000~6000人もの新規感染者数を出していたが、5月4日+1389人→ 5日+1221人→ 6日+1075人→ 7日+1444人→ 8日+1401人→ 9日+1327人→ 10日+1083人(※合計218268人)と直近はかなり新規感染者数が減ってきており、ようやく1000人を割ってきそうだ。
米国は、4月上旬から、毎日約+30,000人もの新規感染者数を出していたが、足元でも大きくは減ってこない。5月4日+25752人 →5日+21926人 →6日+22118人 →7日+24418人 →8日+28722人→ 9日+25928人→ 10日+25496人(※合計1298452人)。
 日本に関しては4月12日に+743人まで増えたものの、5月4日+200人 →5日+173人 → 6日+122人→ 7日+109人→ 8日+95人→ 9日+81人→ 10日+98人と、変化率でみても素晴らしい数値に。しかし、日本人は異常に怖がりで規律正しい国民性であることがわかった。GW明けは、筆者には「絶対に無理!」と感じていた、大都市圏での接触8割減が達成された、と報じられたことには眼をむいた。
最後に、世界全体の新規感染者数を。5月4日+82602人→ 5日+86108人 →6日+81451人→ 7日+71428→ 8日+83465→ 9日+87729人→ 10日+95845人。いまがピークであるか、もしくはまだ漸進しているのかはわからない。まだ世界的に、感染拡大していることに疑いの余地はない。
このような状況の中、世界各国(※先進国中心)では、まだ地域を限定してのことではあるものの経済活動再開に先鞭をつけようとしている。ドイツは6日、全店舗での営業再開となっており、新型肺炎が猛威を振るった米国カリフォルニア州でも、8日からの経済活動の一部再開を決めている。英国でも11日から部分的に経済を再開する予定となっているとのこと。そして世界の株式市場は、この経済活動再開の動きを先読みするように、ここまで非常に力強く戻ってきている。
そんな好地合いの中、GW前~先週末まで、「株価指数と実体経済の乖離が、これからますますひどくなることを予見し株式は再調整に入る」と前稿で記したとおり、平たく言うと、筆者は売り目線を貫いてしまったがゆえに、パフォーマンスは悪いものとなってしまった。
 具体的には、GW前には、日経平均先物とマザーズ先物の空売りをし、あえなく損切りを繰り返し、GW明け後も、「アンジェス」(4563)の高騰に呼応するように、新型コロナショック以前の水準にまで戻していたマザーズ市場(横写真)に違和感を覚えたため、マザーズ市場構成銘柄上位の「メルカリ」「アンジェス」「フリー」「Sansan」「ラクス」を睨みながら、マザーズ先物6月限を売り続けては損切していた。しかし、週末金曜日、幸いにも前場「アンジェス」が崩落する動きをみていることができたため、再度、同先物を高いところで空売りすることができ、現在に至っている。最終的にマザーズ市場構成銘柄で2・3番手につける「アンジェス」は、引けで大量の売り注文を残してストップ安になったので、週明け月曜日はもう少し利を乗せることができそうだ。
アンジェスに関しては、かなり悪名高い企業ではあるものの、慢性動脈閉塞症の治療薬・コラテジェンの技術を用い、新型コロナウイルスに近い形の遺伝子を人工的に作りだすDNAワクチン技術で「ワクチンを作る」と発表しており、当時400円程度だった株価は、先週金曜日には2455円と6倍にまで上昇していたわけだ。今後は7月に少人数の医療関係者に治験をし、9月には医療関係者に幅広くワクチン投与ができることを目指しているという。現在のところ動物実験では進捗は良いようだが、まだ抗体ができ、ワクチンとして機能するのか確認中の段階である。
もちろん筆者は、アンジェス社のこの新規取り組みに関して否定的なわけではなく、素直に応援したい気持ちがあるものの、今年に入ってマザーズ市場全体が赤字に転落している状況にもかかわらず、同社に引っ張られるように、この市場が買われ過ぎている、と目をつけていただけだ。
さて、今週のストラテジーへと移りたい。
NYダウは、現在24,331ドル。4月29日の戻り最高値24,765ドルが接近している。日経平均は20,179円。4月30日の戻り高値が20,366円。ドル建て日経平均株価は、5月9日(土)に189.9ドルとすでに最高値ラインになっているだろうか。
 今週の結論としては、日米ともに、かなりの確率で戻りの最高値を奪取しにいく展開となる、と考えている。その理由として米国市場は、週末金曜日の引けがSQ算出日であり、ここまで経済指標に深刻な悪材料が出続ける中で、株価が堅調に上昇してきた以上、波乱が起こる展開を予想するほうが難しい。
日本に関しては、先週末の4月マイナーSQ値20,073円を上回っており、地合いはよい。また、前稿でもお伝えした、日経平均株価指数の裁定売り残(※将来の買い戻し需要)が過去最高水準にあることも、日経平均株価の堅調さを担保する(※テクニカルの項で後述)だろう。※昨年9月上旬に、同指標が最高水準になった際は、12月にかけて日経平均株価は+3,500円もの上昇をみせていた。
もう1つ注目できるのは、海外勢の日本株に関する売買姿勢だ。残念なことに海外勢は、日経平均株価の底値圏であった3月23日以降、週間単位で一度も買い越していないのだ(※テクニカルの項で後述)。海外勢の投資行動が間違っていることは非常に珍しく、こう考えた場合は油断ができないものの、さすがにそろそろ買い越しを始めてくる、と考えたほうが自然ではないだろうか!?
また、イベントとしては、国内で14日、新型肺炎での緊急事態宣言に関して「政府専門家会議」が開かれる。直近の新規感染者数激増の様子をみれば、緊急事態宣言解除の対象地域に、東京・大阪・福岡などの13都道府県が入っている可能性があり、少なくてもこれが確認できる14日までは相場はもちそうだ、と考えている。

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