アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<*新連載* 漢方専門家・平地治美の健康の勧め>「第28回 ノロウイルスにご注意!」

筆者・平地治美(薬剤師。鍼灸師)。漢方の良さを伝えるため、日々の臨床では治療だけではなく自然治癒力を高めるための“養生”の指導に特に力を入れ、一般の人たちへの健康指導を積極的に行う。朝日カルチャーセンター新宿、津田沼カルチャーセンター等で「女性のための漢方レッスン」「舌診入門」「季節の過ごし方と食養生」などの漢方関連の講座を担当。和光治療院・漢方薬局(千葉市若葉区TEL043-232-6258)で治療。千葉大学医学部医学院和漢診療学講座非常勤講師。京都大学伝統医療文化研究班員。日本伝統鍼灸学会理事。漢方三考塾講師。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る、動かす、食べるで健康になる』(日貿出版)。「平地治美の漢方ブログ」発信中。

ノロウイルスの流行により、餅つき大会を中止する団体が増えているという報道がありました。
私自身はまだ罹ったことはないのですが、その症状による苦しみは多くの患者さんから聞いております。
ノロウイルスは主に牡蛎などの二枚貝に生存し、付着した食べ物などから人に感染します。そして胃腸などの消化管の粘膜細胞でどんどん増殖します。通常のウイルスや細菌は胃酸で死滅するのですが、ノロは死滅することなく胃粘膜でも増殖し続けます。ただし、感染したとしても免疫力の強い人は症状が出ません。そして増殖したウイルスは嘔吐や下痢などにより体外に排出されます。
 ウイルスは嘔吐物や大便に多く含まれており、その一部は飛まつとなって空気中を飛び回り、感染を繰り返します。
後漢の時代の医学書「傷寒論(しょうかんろん)」には、急性熱性の伝染病の病気の経過と治療法が細かく書かれています。この傷寒論に「霍乱病(かくらんびょう)」という篇があります。
霍乱病とは「発熱、頭痛、悪寒などがあり、吐いて下痢をする。熱がこもり水を飲みたくなるような場合は五苓散、冷えて水を欲しがらない場合は理中丸(人参湯)が良い」と述べられており、これがまさにノロの症状と言えます。
通常は吐くか下痢するかどちらか一方なのですが、両方いっぺんに来るのは重症度が高く、脱水などにうまく対処しなくては命の危険さえあります。傷寒論には刻々と変化する症状に対応する漢方薬が、事細かに示されています。

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