アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第10回「渋谷周辺の様変わりぶり」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 最近、渋谷界隈を歩くと何だか異様に疲れる。スクランブル交差点はやたらと外国人観光客が盛り上がっているし、あちこち再開発で、グロテスクな高層ビルがニョキニョキ建って威圧感でぐったりする。宮下公園も一度リニューアルしたと思ったら、今度は全部ぶっ壊してショッピングモールをつくっている。ひと昔前の野宿者のテント村も跡形もない。東横線も地下鉄銀座線も分かりにくくなって迷路のようだ。おまけに今度は、あの渋谷駅前のシンボル的存在の東急東横店が再開発のためこの3月で閉店するという。もう渋谷に昭和のオヤジはお呼びでないかもね。
 さて何でこちとらが渋谷にこだわるのかというと、実は生まれが渋谷区なのだ。小田急線の代々木上原から歩いて10分ほど、上原小学校のすぐ近く。代々木上原っていうと、トレンディな街とかいってカッコつけているのが多いようだが、子どもの頃は、庶民的な町だった。ただし10分も歩けば駒場の高級住宅街で、古びた西洋館(横写真)なんかあって怪人二十面相が出そうな雰囲気。東大駒場のキャンパスやグラウンドにも忍び込んで遊んでいたのさ。有名人も多く住んでいた上原だが、家の周囲はなぜか長屋もあったりして面白い。
たまに親父に連れられて怪獣映画の『モスラ』とか『キングコング対ゴジラ』は渋谷東宝で観た。洋画だとディズニーの『101匹わんちゃん大行進』なんてのは東急文化会館のパンテオンだ(今の「ヒカリエ」)。帰りは西村フルーツパーラー(今でもある。集団就職で上京した永山則夫が働いていたのだ)で、フルーツポンチにありついたらもう幸せ!てなもんさ。小学校2年のときに観た『モスラ』では、その渋谷の町が徹底的に破壊されるんだ。それも精巧に作られたミニチュアセットで、東横デパート(昔の言い方)や西村フルーツパーラーまでちゃんとあるんだから、子ども心にはショックだよね。

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