「昭和ホールディングス」(5103。東証2部)、「ウェッジホールディングス」(2388。JQ)を傘下に置く、本紙ではご存じ、此下益司氏(冒頭写真)率いるタイ投資ファンド「A.P.F.グループ」は、現在「Jトラスト」(8508。東証2部)側と法廷闘争を行っている。
本紙でも既報のように、契機は昨年10月、ウェッジHDの子会社で、タイに上場しているオートバイのローン販売会社「グループリース(以下、GL社)」の最高経営責任者でもある此下氏(ほどなく辞任)がタイ証券取引所から偽計及び不正行為の可能性を指摘され、タイ法務省特別調査局による調査を受けることに。こうしたなか、信用不安、株価暴落などから、日本円にして200億円以上のGL社の転換社債を保有していたJトラスト側がAPF側との縁切りを申し出たからだ。
その仁義なき戦いの現状をお伝えする前に、まずは、昭和HDと、同社の代表取締役兼最高経営責任者、此下氏の弟である此下竜矢氏が、昭和HD労組と、労組委員長個人を相手取り、損害賠償請求訴訟を提起していたことがわかったのでお伝えしておく。
提訴したのは今年1月24日付。
訴状によれば、約2年前、昭和HD労組は都内で街宣活動を行ったが、この際、「悪徳ファンド・此下経営」などと記し配布したビラ(上写真)などが昭和HDと此下氏の名誉を傷つけたとして地元紙「千葉日報」への謝罪広告掲載と総額約982万円の損害賠償を求めるもの。
そのビラのなかには、APFが一般投資家から資金調達したものの集団提訴され、原告側勝訴の判決が出ている旨の記述もあったが、そんな事実はなく悪質過ぎると主張している。