アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

なぜ、警視庁は武富士天下り元警部補にも拘わらず、本紙・山岡告訴で動いたのか!?

●無事、解放される。初回の取り調べは約2時間半 今後も3番町(東京都千代田区)の警視庁の取調べ室には何度も足を運ばなくてはならないが、昨日は、約2時間半の取り調べで終わった。 関係者の皆様にはご心配をかけ、本当にすいません。 ただ、「論談」目安箱や、「二階堂ドットコム」で流れたような、何が何でも逮捕という雰囲気はとりあえず感じられなかった。 昨日も報じたように、告訴人は元警視庁刑事部捜査2課警部補、それから武富士の総務課長に天下っていた岩根昭二氏。本紙・山岡の容疑は名誉毀損である。 名誉毀損とされる箇所は、山岡の著した単行本『銀バエ 実録武富士盗聴事件』の3箇所の記述。 昨日の記事中で示した2箇所と、82頁のもう1箇所。いずれも、岩根元警部補が武富士を退職してまもなく、在職中に知り得た出来事を小説風に仕立てた100頁にも及ぶ書籍ゲラのようなものを作成。それを公表することを暗に臭わせ、武井保雄武富士会長(当時)から、500万円の現金を受け取った疑惑に関して報じたもので、それがまったくの事実無根ということのようだ。 だが、山岡としては到底納得できない。 100歩譲って、まったくのデッチ上げでない以上、民事訴訟で争うべきことで、古巣の警察権力を使い、捜査させることは、公権力の私物化に他ならない。 取り調べの刑事は、警察は訴えはすべて受理することになっており、その結果、調べているだけ。訴えた人間が元刑事かどうかまったく関係ないと言ったが、それには無理がある。 告訴案件は膨大な件数に上がっており、すべて捜査などできるわけがない。大半は捜査せず放置、うやむやになっているのが現状。 「桶川ストーカー殺人事件」等でも明らかで、生命の危険を感じる重大犯罪でもそうなのに、ましてこちらは名誉毀損容疑に過ぎない。しかも、重大な物証があり、証言者もいるのだ。 おまけに、岩根元警部補は、まだ世間の記憶も鮮明な、山岡が告訴して弾けた盗聴事件の舞台となった武富士に天下っていた人物。かつ、その武富士絡みの疑惑なのだ。しかも、岩根元警部補は山岡が捜査に協力した警視庁本庁2課の出身で、今回の取調べをしているのもその捜査2課。 こうした事実を思えば、「警視庁本庁も武富士と癒着しているんじゃないのか」、または、「不良警官だろうが何だろうが、結局、身内を特別扱いするんじゃないか」との批判が起きて当然。現場には何のメリットもない。 となれば、今回の捜査着手は、現場レベル、また捜査2課長レベルでもなく、もっと上から「やれ」との指示があったとしか思えないのだ。 ●武富士天下り元警部補の、武井元会長から500万円受領のこれだけの証拠 ともかく、すぐ下左に掲載した「領収証」を見てもらいたい。  武井会長(当時)が岩根元警部補に500万円支払ったことがわかる。日付は96(平成8)年10月2日。 右側のもう一枚の「確認証」も武井会長宛てで、在職中に知り得た情報を漏らさないことを誓う旨の内容。同じ日付だ。 いま、手元にあるのはこの2枚だけだが、さらに同日付の「念書」なるものもある。そこには、「本日、500万円を受領した」旨と、やはり、「守秘義務を守る」旨の記述があった。 さらに、山岡は問題のゲラも入手している。 その一方で、元武富士幹部が、この500万円は問題のゲラを出さない替わりにもらったものだと証言しているのだ。 また、武富士に情報を流していた本庁刑事部4課警部補(当時。後、武富士とは別件の贈収賄で逮捕、懲戒解雇に)から、岩根元警部補が問題のゲラを持って来ようとしたが、恐喝で事件化する可能性があるので断った旨、聞いたとして、武富士課長(当時)が記した「業務日誌」が存在するのだ。日付は97年12月。 なお、山岡はこの疑惑につき、単行本に先立ち、実名は記してない(A氏)が、月刊雑誌『サイゾー』(03年2月号)で記事にしている。その際、岩根元警部補を電話取材し、彼は前述の証拠「領収証」等が本物だし、ゲラについても、自分が作成したと認めているのだ。 このどこが、名誉毀損なのか。 そして、本誌が関心があるのは、なぜ、今、刑事告訴なのかである。 もし、岩根元警部補自身が本当に刑事告訴するほど怒り心頭なら、とっくにやっていないとおかしい。問題の単行本が出たのは04年3月で、すでに1年3カ月も前の話なのだ。 誰か裏でけしかけた者がいるとしか思えないのだ。では、それは誰なのか……(続く)。…

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