アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(156回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(11月5日~11月8日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は22,851円と、先週比+51円(前稿+307円⇒ +694円→ +389円→ ▲469円→ ▲200円→ +91円→ +788円→ +496円→ ▲7円→ +292円→ ▲266円→ ▲419円→ ▲517円)と4週連続のプラスとなった。
 金曜夜の株式市場は、場中に米中通商協議で、中国側から「原則合意に達した」との報道がでて、NYダウもピクリと上昇し+301ドルとなる27,347ドルまで上昇し、日経平均先物も22,940円(※土曜時点)と堅調に推移して引けている。
結局のところ、場が終わった土曜日に、USTRからは「米中閣僚級電話協議があり、様々な分野で進展中。懸念事項も進展中。引き続き次官級協議を行う」と発表されたのみで、現状では米中貿易協議の進展具合は掴みづらい。現在のところ、米中貿易合意の第一弾は成立しそうな流れなのは間違いなさそうだが、確実なのは、結局のところ中国は、国家主導でのハイテク製造2025など構造問題をストップする気がないということ。さらには今後、米国による追加関税の見直しを強硬に迫ってくるだろう。米国としては公正な貿易ができる環境を整えるというお題目のもと、中国の不公正な発展を阻止したい構えは崩さないので、現状以上の追加合意は不可能だと言い切っていい。
 ただ、S&P500は7月後半の最高値3,039ポイント越えて3,067P(※11月2日引け値)に到達。NYダウも、本年7月16日に付けた高値27,399ドルを、11月4日PM20:30現在で27,457ドルと越えていき順風満帆のビッグウェーブとなっている。本年後半から、来年前半にかけての半導体を中心とした景気回復への期待はすさまじい勢いだ。しかも、すでに発表されたS&P500構成銘柄の決算では、利益はコンセンサスから+4.8%の増益となっている。これに下期からの景気回復期待が上乗せされるのだ! そもそもここから米国は、1年後に大統領選挙が行われる。トランプ大統領が支持率稼ぎに躍起となり、様々な景気てこ入れ策を取ってくることは想像に難くない。また、そんな長期視点に立たなくとも、11月中旬までには、米中貿易協議で第一弾での合意が控えている。最低でもこの近辺までは「この勢いに乘らないと損だ!」と投資家の本能が語りかけてくるのだ。
この強気姿勢の根拠としては、個人投資家を中心とした「日経平均レバレッジETF」(1570)への空売り残高が、一向に減ってきていない事情もある。たいていの場合、個人投資家は海外ヘッジファンドなどの養分となるのが常なので、個人投資家が損切りするまで、まだもう一段の大きな上昇を仕掛けてきそうだ。
 ただ、不穏な気配はもうすでに漂っている。米国のVIX指数は12.3%と直近ではかなりの低水準(※平時に11%台に入ることはたいへんマレ)。これは、先行き1年で約7割の確率で株価の変動率が上下12.3%ということを示唆しているわけだが、基本的に投資家は不安を感じていない。そのためVIXショートの建玉が、またしても10月29日時点で▲187,948枚と過去最高となったのだ。これまでの過去最高は、本年4月30日の180,359枚。これを上回ってきている。
そこで過去の株価の推移を振りかえってみると、4月30日のNYダウの引け値は26,593ドル⇒ 5月31日に24,815ドルと、1ヵ月間で-1,778ドルも下落している。ちょうど当時も決算発表シーズンで、決算後の材料出尽くしで下がったともいえるが。その後は、右往左往しながら上値を追っていることは事実だが、VIX指数のショートの過去最高の積み上がりは、短期的に株価が上がり過ぎている所作と言っていいだろう。
よって、今週のストラテジーは、半身での買い姿勢がセオリーだと考える。幸いにも米中貿易協議が、予定よりも早く動き出しそうで、第一弾の合意が早まる可能性がある。もしかすると今週にも、閣僚級協議で大筋合意が考えられる。その際に、S&P指数が節目となる3,000Pを下回るか、7月16日に付けた高値27,399ドルの高値、いや、先週金曜日の引け値27,347ドルを下回るまでは、しっかりと強気を貫きたい。
こう記すと、強気ラインが近すぎてすぐに弱気に転換するわけで、読者諸兄には軟弱すぎる買い姿勢に見えるかもしれない。だが、そのぐらいの強気でちょうどよいのではないかと考えている。なんせ、世界の株式市場は実態経済を完全にスルーして、近すぎる輝かしい未来にMAXベットしているのだ。もうすでに、完全にリスクオンである以上、米中貿易第一弾の合意で、1回はリカクの流れとなり、相場が急落するものだと考えておいたほうが自然だろう。また、週末金曜日には日本ではマイナーSQがあるので、水曜、木曜日の波乱で相場の方向性が変わらないかは注視したい。

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