地上げを依頼した「光誉実業」社長の3月4日の逮捕を受け、東証2部上場の建設会社「スルガコーポレーション」(横浜市)の創業者で代表取締役会長兼社長だった岩田一雄氏が、同日付で代表権のない会長に退いたことは全国紙でも既報の通り(横写真は「毎日新聞」3月5日)。
だが、処分が発表されたのは岩田氏だけではなかった。同時に、取締役だった高城竜彦氏(47)は辞任した。理由は、問題の光誉実業との担当者だったからだ。
この高城氏は97年9月に一社員として入社。それからほどない98年1月、詐欺事件を起こして逮捕された。
それにも拘わらず、同社をクビになるどころか、一貫して岩田氏に可愛がられ、2003年には執行役員、05年には常務執行役員、そして06年6月には取締役にまでなっていた。
実はこの高城氏は、07年5月までわが国を代表する不動産会社「住友不動産」代表取締役会長(不動産協会理事長)の地位にあった高城申一郎氏(現在も住友不動産相談役を務める)の長男なのだ。
前出の詐欺事件も、その父の信用を利用。「(海外出張中の)父が帰って来たら御礼を添えて必ず返すから」などと嘘を言い、元東京都幹部から約1100万円を騙し取ったとされる。
そして、その父の威光故、さまざまな人脈を有しており、岩田氏は高城氏を重要視したと見られる。