■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。 ≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫ 先週金曜日の日経平均株価の終値は21,799円と、先週比+389円(前稿▲469円⇒ ▲200円→ +91円→ +788円→ +496円→ ▲7円→ +292円→ ▲266円→ ▲419円→ ▲517円)と3週ぶりにプラスとなった。金曜夜の日経平均先物は、米中貿易通商協議の進展から、一時22,240円まであっての22,040円(※土曜時点)で引けた。 先週金曜日の米中通商協議は、トランプ大統領がツイッターで煽りまくった効果で、ダウは一時500ドルを越える大暴騰になったものの、引け間際に明確に「部分合意」である可能性が浮上し下げ足を強め、+320ドル高で引けている。 結局、中国は15日からの「第4弾の追加関税約・2500億ドル、25%→ 30%の引き上げを見送ってもらうかわりに、米国農産物の購入を拡大する」だけで合意を勝ち取っている。これまで「部分合意などない、あるのは完全合意だけだ!」と、息巻いていたトランプ大統領は、「これは第一弾の合意で、第二弾に向けてさらなる協議が進む」とのたまわっているが、眉唾ものだろう。しかし、市場はそれを理解していながら、爆上げを演出した可能性が高い。 その根拠は、先週に決算発表を終えている、韓国・サムスン電子(横左写真。※日足)と日本・安川電機(6506)の決算後の値動き(※日中足)に現れている。サムスンに関しては、業績をみてもコンセンサスを上振れ、受注状況をみてもわかりやすく反転している様子がわかる。これを受けて日本でも「SUMCO(6677)」が、出来高を大量に伴いながら爆騰している。しかし、FA関連の「安川電機」は、決算発表後の先週金曜日に、業績の大部分を担う中国市場が弱いままで、よくここで切り返したものだと驚いた。米中通商協議前の悪地合いだったのだ。 特に半導体に関しては、ポジティブなニュースが続々出始めている。 市場調査会社IHSの見立てでは、「世界の半導体市場は、4480億ドルと今年の4228億ドルから+5.9%成長する。各国で5G通信が半導体市場を再びスーパーサイクルに導く」としている。2018年は4856億円と、山はかなり高いが、直近6月の328億ドルを底に、8月には342億ドルに増加と、持ち直しの動きが鮮明に出ており、ここから需要は長期化しそうだ。 半導体市場は、将来的に渡って5G通信に伴うIOT、AI、自動運転、ロボット、データセンターなど、高成長が約束された市場だということは、買い方に安心感をもたらす。そもそもこれからますます情報社会となっていき、半導体まみれの社会になっていくのだろう。あとはいつ買うか!? それだけが重要だ。(横写真=「産経ニュース」10月11日14時24分記事より) さて、今週のストラテジーへと移りたい。 現在14日(祝)PM18:30のNYダウの先物や日経平均先物は、「中国は第一弾の合意署名前にさらなる交渉を希望する」との報道で、弱含み始めている。これにトランプ・ツイッター砲などがさく裂すれば、かなり大きなマイナスになりそうで、週明け火曜日はまず米中貿易摩擦の行方に気を配ることから始めたい。 今週の山場は、米国による「対EU報復関税」と「ブレグジット」、そして「企業決算」である。まず、「対EU報復関税」から。18日(金)は、航空機製造メーカー・エアバスへの補助金がWTOの規約違反だと主張する、米国による対EU報復関税の発動予定日だ。これが発動されてしまうと、米国のボーイングにも同様の報復関税が待っていそうで、相場の火種となる。さすがの米国をしても世界各国と喧嘩し続けるのは得策ではないと思うが、選挙前のトランプ大統領は無理をしそうで怖いところだ。 ※今週は、注目銘柄アリ また、欧州においてはEUとの「離脱案合意期限」がある。英国のEU離脱(ブレグジット)期日を今月31日に控えて、17日のEU首脳会議で英政府が離脱協定に合意できない場合は、19日(土)までに英国は離脱延期を要請することが義務付けられている。ただ、ジョンソン英首相は、「離脱延期などしない。合意などなくても、荷物をまとめてでていくだけだ。ダメなら法的手段に訴えることも視野に入れている」と強硬姿勢を崩さず、市場に大混乱を生じさせる可能性が高まっている。ちなみに筆者は、ブレグジットは、日本株式市場に短期的にはダメージを及ぼすが長期化しないと考えており、万が一、合意なしのブレグジットとなり市場が大混乱になればただ底値買いを意識した対応をするつもりだ。 最後に、15日(火)から米銀を始めとした決算発表が本格化する。特に決算で注目しているのは、16日(水)に出る、半導体製造装置露光での最大手「ASML決算(オランダ)」と、17日(木)の半導体製造の世界最大企業、台湾・「TSMC」の決算である。筆者は、おそらく、この2社の決算後の上昇は著しいと踏んでおり、週明けからは半導体関連企業を買い、ロングホールドする予定である。 最後に、今週は日経平均株価が暴落する可能性は低いと考えているが、日経平均が先週金曜日の終値である21,800円となったら黄色信号、25日線の21,700円を下回ったら撤退する考えである。 ≪今週の注目イベント≫ 10月15日(火) 独&ユーロ10月ZEW景況感調査期待指数(18:00)& ニューヨーク連銀景況感指数(21:30)& IMF世界経済見通し(22:00) 10月16日(水) 米国9月小売売上高(21:30)& ASML決算(オランダ) 10月17日(木) 米国10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(21:30)& EU首脳会議(17-18日)※ブレグジット修正案& 台湾TSMC決算 10月18日(金) 中国7-9月期GDP&9月小売売上高(11:00) & 米国SQ ≪今後の注目イベント≫ 10月末 ジョンソン英国のブレグジット期限 ≪テクニカルポジション≫ 日経平均株価の終値は21,799円。5日移動平均線は21,554円、25日線は21,697円、75日線は21,300円、200日線は21,211円。日経平均先物は、22,040円。 TOPIXは、終値1595ポイントと週間で+22ポイントの上昇(※前稿では▲31⇒ ▲12→ +6→ +73→ +26→ +14→ +12→ ▲19→ ▲30→ ▲31)となった。5日移動平均線は1584ポイント、25日線は1590ポイント、75日線は1554ポイント、200日線は1565ポイント。 日経VI(ボラティリィティインデックス)は17.34(※前稿18.30⇒ 16.81→ 15.91→ 16.41→ 18.10→ 17.31→ 21.77)と落ち着きを示している。20を超えると動揺し25に届くと市場の動揺はきつくなる。昨年12月25日は33に届く場面があった。 米国VIX指数は15.58(※先週末17.04⇒ 17.22→ 15.32→ 13.74→ 15→ 18.98→ 19.87→ 18.47→ 17.97→ 17.61→ 15.34→ 14.45→ 12.39→ 13.28)。完全に落ち着いている。昨年12月には、36を記録した。 10月の日本のSQ値は、21,843円となった。米中貿易協議の進展もあり、ここまで下落する展開となれば、ここが分岐点となり下がりそうではある。 ドル建て日経平均株価は、10月12日(土)に203.4ドルと先週比+1.9ドル。※魔の12月25日は174ドルだった。 続いて、GDPNowを! アトランタ連銀が出す予測値で、10月9日現在、+1.7%と前稿時から下落(※前稿+1.8%⇒ +1.9%→ +1.8%→ +1.5%→ +2%→ +2.2%→ +1.9%→ +1.3%→ +1.6%→ +1.4%→ +1.7%→ 2.1%→ 2.2%)した。3月初旬からグングン上昇し一時+2.8%まで上昇したが、それ以降の米国経済指標は弱含み始め、利下げ期待が高まってきている。 そして中国の景気状態を探るための指標「銅」価格。世界消費の半分が同国。NY商品取引所では2.623ドルと前週比+0.059ドル高。2.7ドルを越えて上昇してくるか?がかなり重要。 続いて、CFTC(米商品先物取引委員会)のドル円の建玉。10月8日、ドル円で+11,012枚とここ1ヵ月間、売りが一気に増えてきたものの、まだ買いのほうが多い。買い越し事態がたいへん珍しいことであり、直近増えてきていることからもこのあたりで止まらないと新しい動きとなり、たいへん危険。 またCFTCの米国10年債の建玉もみてみる。10月8日現在-122,560枚と、ここ1ヵ月間で売りがドンドン減ってきている様子がわかる。現在の米国債の利回りは、1.736bs。FFレート(2%-1.75)のレンジよりも低い位置。 為替レートは、ドル円で10月12日(土)現在、108.404円と、すさまじい勢いで円安となった。この水準のまま10月末の決算時期を迎えれば為替での下方修正はでづらい状況だろう。 ここからは現時点での「日経平均EPS」と「PER」。10月11日時点の日経平均予想EPSは1752円と先週比-2円。直近の最高水準のまま動かない。企業決算での上期の数字自体は、前年同期比約-10%とかなり悪いものの、通期の下方修正出す企業も少ない。あとは日銀短観での為替レート108円台に近接できれば。 続いてPER。「日経平均」は12.44倍(先週比+0.23)、「TOPIX」は14.02倍(先週比+0.23)、「ジャスダック」は18.15倍(先週比+0.40)。※2018年1月18日、日経平均は15.64倍、TOPIX 17.51倍の最高値をつけ、2018年12月25日、日経平均は10.71倍まで低下した。 ちなみに、日経平均株価指数は単純株価平均で、ファーストリテイリング、ソフトバンクなど値がさ株の寄与度が大きく、偏りが生じていることは周知の事実。そこでJPXが発表する9月末時点での、日経平均株価の加重平均PERをみると14.7倍となる。大型が13.5倍、中型が16.5倍、小型が16.1倍。また、製造業は15.9倍、非製造業は14.5倍。 マザーズの9月末のPERは、加重平均で234.1倍(※8月181.8倍⇒ 7月226.4倍→ 193.9倍)。 米国は、「NYダウ」が17.41倍(先週+0.14)、「S&P」は17.75倍(先週比+0.15)、「ナスダック」は21.25倍(先週比+0.10)、ラッセル2000(小型)は27.32倍(先週比-0.24)。※2018年1月12日のNYダウの最高値は20.36倍。ナスダックは8/31に21.97倍、S&Pは、1/26に19.25倍だった。逆に2018年12月21日のNYダウは14.48倍、S&Pは15.09倍、ナスダックは17.15倍だった。 次に東証1部市場とマザーズ市場の売買代金に移る。10月2週目の東証1部の、1日当たりの売買代金は1兆8347億円となり、先週比-2281億円の減少となった(※10月1週目は、2兆0628億円⇒ 2兆3686億円→ 2兆4478億円→ 2兆5643億円→ 1兆7762億円→ 1兆8113億円→ 1兆6008億円→ 1兆9724億円→ 2兆3252億円→ 2兆3091億円→ 1兆7367億円→ 1兆9228億円→ 1兆7825億円→ 1兆8053億円→ 1兆7778億円→ 1兆9945億円→ 1兆8890億円→ 2兆0048億円→ 2兆1286億円→ 2兆1596億円→ 2兆6322億円→ 2兆9912億円→ 2兆1498億円→ 2兆2196億円→ 2兆203億円→ 2兆2630億円→ 2兆5090億円→ 2兆1302億円→ 2兆2593億円→ 2兆2641憶円→ 2兆1574億円→ 2兆116億円→ 2兆4951億円→ 2兆4106億円→ 2兆3032億円→ 1兆9387億円→ 2兆1863億円→ 2兆4498億円→ 2兆4065億円→ 2兆7883億円→ 2兆6247億円→ 2兆5863億円→ 2兆6467億円→ 2兆2413億円→ 2兆4738億円→ 2兆6896億円→ 3兆3739億円→ 2兆7136億円→ 2兆4520億円→ 3兆1929億円→ 2兆7226億円(※10/1週目相場転換週)→ 3兆898億円→ 3兆2113億円→ 2兆3643億円→ 1兆9788億円→ 2兆2007億円→ 1兆8346億円(※8/4週目昨年最低)。 先週は週間で+389円高。先週金曜日に+247円高と高値圏で引け、出来高も2兆1000億円と膨らんだが、いまのところ力強さを見せたのはこの日だけ。相場活況の定義は1日あたり2兆5000億円、大活況で3兆円である。 次は、個人投資家の主戦場・マザーズ市場の売買代金。10月2週目の、1日当たりの売買代金は681億円となり、先週比+42億円の増加となった(※10月1週目639億円⇒ 851億円→ 675億円→ 626億円→ 584億円→ 738億円→ 813億円→ 921億円→ 804億円→ 722億円→ 673億円→ 1008億円→ 834億円→ 848億円→ 912億円→ 1128億円→ 959億円→ 888億円→ 1116億円→ 986億円→ 1024億円→ 966億円→ 1164億円→ 1625億円→ 1466億円→ 1395億円→ 1457億円→ 1345億円→ 1334億円→ 1268億円→ 1496億円→ 1216億円→ 1237億円→ 1353億円→ 960億円→ 1319憶円→ 1260億円→ 1086億円→ 996億円→ 1018億円→ 823億円→ 851億円→ 878億円→ 710億円→ 869億円→ 908億円→ 832億円→ 826億円→ 794億円→ 946億円→ 815億円→ 1175億円→ 1004億円→ 868億円→ 934億円→ 1030億円→ 903億円※8/4週目)。現物の出来高はまったく盛り上がらない。 現在のマザーズ指数は840ポイントと、先週比-30ポイント安(※前稿は▲12⇒ +18→ +16→ ▲8→ +15→ ▲46→ +35→ +19→ ▲22→ ▲3→ +-0→ ▲1→ ▲29→ +32)と、日経平均株価と相対的に水曜日・木曜日・金曜日と悲惨ともいえる推移だった。マザーズの決算は先であり、米中貿易摩擦の緩和がみられる中、この市場だけ浮上しないのもおかしい。 次は先物取引の出来高を。日経225&ミニの2019年9月限の出来高(枚数)は、10月2週目で、1日あたり166,093枚(※10月1週目166,072枚⇒ 154,405枚→ 125,785枚→ 191,799枚→ 127,050枚→ 168,010枚→ 123,693枚→ 199,375枚→ 276,265枚→ 158,673枚→ 105,620枚→ 124,464枚→ 112,155枚→ 125,738枚→ 152,420枚→ 237,820枚→ 180,545枚→ 180,309枚→ 171,445枚→ 201,352枚→ 238,548枚→ 118,854枚→ 121,127枚→ 119,550→ 144,700→ 193,311→ 130,742→ 154,173→ 256,778(SQ)→ 139,384→ 147,117→ 177,243→ 142,040→ 158,683→148,894枚)となった。意外にも金曜日は、木曜日よりも出来高が少ない。 他方、TOPIXの1日あたりの出来高は、68,510枚(※10月1週目85,910⇒ 108,269枚→ 79,542枚→ 261,829枚→ 67,919枚→ 74,263枚→ 50,468枚→ 74,879枚→ 107,918枚→ 73,526枚→ 50,926枚→ 73,740枚→ 61,641枚→ 62,896枚→ 57,514枚→ 54,227枚→ 228,807枚→ 83,225枚→ 63,974枚→ 59,253枚→ 73,730枚→ 114,454→ 64,517→ 60,057→ 58,218→ 67,357→ 103,663→ 59,467→ 66,354→ 237,005→ 68,169→ 58,602→ 64,997→ 61,887→ 68,168→ 61,159)と、こちらもまるで盛り上がっていない。 最後にマザーズ先物を。2019年9月限の出来高(枚数)は1日あたり、807枚(※10月1週目783枚⇒ 1,132枚→ 940枚→ 1,888枚→ 776枚→ 1,111枚→ 613枚→ 973枚→ 1435枚→ 929枚→ 692枚→ 1,129枚→ 1,031枚→ 1,065枚→ 1,020枚→ 1,002枚→ 1,823枚→ 1907枚→ 1430枚→ 1408枚→ 1,696枚→ 1,827→ 1,233→ 1,703→ 2,102→ 2314→ 2102→ 1496→ 2216→ 2361)とこちらも商いは盛り上がっていない。ただ、金曜日は出来高が1,601枚と盛り上がって反落している。ここが底入れかどうかは、週明けにはっきりしそうだ。 海外投資家の投資部門別週間売買動向(日経平均現物&先物・TOPIX・JPX含む)に移る。10月1週目は、-3761億円(先物-5113億円、現物+1352億円)の売り越しだった。【※9月4週目▲6450億円(先-3610、現-2840)⇒ +7238億円(先+7957、現-719)→ +9597億円(先+1兆2765億円、現-3168億円)→ +4836億円→ +250億円→ ▲1317億円→ ▲4655億円→ ▲1兆1623億円→ ▲6128億円→ +3437億円→ ▲807億円→ +1337億円→ ▲2574億円→ +1629億円→ ▲729億円→ ▲1707億円→ ▲510億円→ ▲5839億円→ ▲4707憶円→ ▲3950憶円→ ▲8396億円→ ▲1092億円→ 7895億円→ +981億円→ +8101億円→ ▲8789億円→ ▲674億円→ +359億円→ ▲2919億円→ +178億円→ +4512億円→ +2895億円→ ▲515億円→ +190億円→ +2214億円→ +977億円→ ▲1778億円→ ▲720億円(※1月1週目※4日のみ)→ ▲1453億円→ ▲5481億円→ ▲5899億円→ ▲7166億円(※週間-672円安)→ +1867億円→ ▲4114億円→ ▲1649億円→ +3427億円→ ▲4824億円→ ▲1兆2969億円→ ▲1兆1164億円→ ▲1兆8110億円→ +4600億円→ ※10月1週目】。 2週連続の売り越し! 当該期間週は、週間では-469円の大幅安。しかし、現物はなぜかこのタイミングで買い越し…。本年に入って現物だけでみると、週間で11勝28敗の2兆4472億円の売り越しとなり、本年最低水準から脱出した。※これまでの本年最低は9月4週目の▲2兆5824億円。※2018年の海外勢の売り越し金額は、現物5兆7400億円に達し、31年ぶりの大きさだった。 現物&先物合計では2018年1月1週目以降、2019年1月2週目までに▲13兆3288億円を売り越していたが、足元は15兆4750億円(※直近最低は8月3週目16兆7179億円)と売り越し額がまたしても増えてきた。 続いてマザーズ市場。海外勢の動向はというと、10月1週目は-143億円(先物+0、現物-143)の大幅売り越しだった(※9月4週目+50億円⇒ +97億円→ +105億円→ +36億円→ ▲13億円→ +67億円→ +11億円→ +18億円→ ▲42億円→ ▲30億円→ ▲20億円→ ▲107億円→ -36億円→ ▲27億円→ +18億円→ ▲47億円→ +29億円→ ▲18億円→ +65億円→ ▲19億円→ +81億円→ +27億円→ ▲102億円→ ▲72億円→ +43億円→ +66億円→ ▲5憶円→ ▲80億円→ +2億円→ ▲33億円→ 15億円→ ▲48億円→ ▲83億円→ ▲140憶円→ +70億円→ ▲17億円→ 0億円→ +65億円→ +6億円 →▲36億円→ +141億円(※週間で指数-30P)→ +89億円→ +12億円→ +35億円→ +218億円→ +116億円→ +20億円→ +19億円→ ▲13億円→ ▲-127億円※10月1週目)。10月1週目のマザーズ指数は、-12ポイント安の870ポイント。いまは現物と先物の売買代金が低水準の中、4週連続海外勢が買い越した後の、大幅売り越し。なにがしたいのか海外勢は。 次は空売り比率。10月11日時点で47.1%(※8月5日は過去最高51.5%)となっている。少し大きめ。 日経平均騰落レシオ(25日)は133.76%(※値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数)で120%以上だと警戒圏、70%で底値圏だといわれる。直近の暴落程度ではまだ過熱感は冷めない。 次はNT倍率(日経平均÷TOPIX)。13.66倍。ここ5年来で最高値であり、13年以降の同指標は12.12~12.54倍の間に入っていたため、現在日経平均が買われすぎていることは確か。 続いてFEDウォッチ。10月19日は(1.5-1.75が75.4%)と、前稿と変わらない。米国景気指標は着実に落ち込み始めている中、米中摩擦が緩和されどう動くか!? 次稿が重要だ。12月も(1.5-1.75が58.9%、1.25-1.5が24.5%)と、前稿よりも利下げ期待が減小している。来年2月までみても、あと1回程度の利下げ期待に落ち着いているようだ。 現在の短期政策金利(FF)誘導目標は2.00-1.75%。10月12日現在の「米国2年債金利」は1.598。米国10年債利回りは、1.736%と、逆イールドはどこ吹く風。利回りの差はこれで一気に広がり+0.138%と広がって落ち着いてきた(※8月3・4週目は2年と10年の逆イールドが発生)。参考までに3年債利回り1.568%。5年債も1.556%。しかし3年と5年の債権利回りは2年債よりも低く、景気後退を懸念している形だ。 そしてトランプ大統領の支持率を。現在43.4%。不支持は53.6%。前稿よりも多少は、支持率を伸ばしている。ただ、これは先週金曜日の米中貿易摩擦緩和を反映しておらず、これも次稿をみなければわからない。支持率が30%台まで落ち込めば、トランプ再選の可能性は消えるといわれる。現在は民主党の候補者が、バイデンでもサンダースでもウォーレンでもトランプは負ける予想。そのなかでエリザベス・ウォーレン議員が支持を伸ばしているようだ。女性初の米国大統領の可能性が浮上している。 次の指標は「プットコールレシオ」。10月11日時点で当指標は「0.23」。昨年12月25日から1月4日にかけて「1」水準に迫っている。オプション市場で売る権利(相場の下落に賭ける)÷(相場の上昇に賭ける)といった単純な指標だが、短期的な相場動向をみるうえでは役に立つ。※暴落時は1.15くらいが底打ちのサイン、通常なら1程度で市場は落ち着きを取り戻す。 そして最重要指標として記載をしている「裁定取引高の推移」。裁定買い残の水準は、10月4日に5067億円(※直近の最低は9月13日の3347億円)と前稿よりも少し減っている。10月9日までは筆者推計で4387億円と、この水準でまだ減っている…。現在の裁定買い残は、過去最低水準まで落ち込んでいる状態のため、市場暴落の可能性がこの指標からはみえない。 また裁定売り残。10月4日で、1兆6575億円と、前稿よりは減ったものの、依然高水準を維持している。その後、10月9日までは多少増えた程度で、依然高水準キープ。めったに出ることのない(※今回合わせて歴史上4回目)、このシグナルがでれば市場は落ち着きを取り戻してきたが、1ヶ月程度混乱が続いたこともあるようだ。現在の混乱は4ヵ月に達している。 ※備忘録を。裁定買い残は、2018年3月23日に1兆3321億円まで落ち込み、裁定売り残に関しては2018年3月30日、1兆962億円まで増えた経緯があった。現在は、2019年9月13日に裁定買い残は、3347億円まで落ち込み、裁定売り残に関しては2019年9月6日、2兆666億円まで増え、過去最大の波乱となっている。※直近の買い残のピークは1月5日の3兆4266億円。裁定買い残は3.5兆円で警戒警報が鳴り、4兆円をつければピーク確定だといわれた。また、過去にも裁定買い残で1兆円割れや、5000億円割れがあったことは備忘録として記載したい。 次は個人投資家の懐具合である信用取引評価損益率。10月4日、-14.05%。7月後半以降では前稿が一番良かった。この指標が-3%の最高水準であった4年前の2014年1月17日を振り返ると、年初から半年ほどで-15%近い調整が入ったことは忘れてはならない。一般的には-3%以上であれば天井圏(※個人投資家は利確が早く、含み損の処理が遅れるのが一般的なため)で、-20%ラインが大底圏であるといわれる。またリーマンショックの際は▲39.64%だったという。 最後に個人の信用買い残高で終わりたい。10月4日現在、2兆1516億円と前回報告比で+590億円の増加となった。年初は2兆4605億円だった。現在のところ2019年3月23日の3兆6759億円がピーク。反面、信用売り残は、9021億円と前回報告比-940億円の減少となっている。前稿までは2008年8月以来の11年ぶりの高水準だったが、株式市場が本格下落する前のタイミングで買い戻してしまっている。その後、株式市場は大暴騰となっているが個人投資家は、どう動いたのか!? 【今週の注目銘柄】 ●エスケーエレクトロニクス(6677)ジャスダック、株価2120円、PER5.23(四季報19年9月度予想)、PBR1.15、配当予想:1.41% ※時価総額約241億円 フォトマスク専業。大型液晶パネル用世界首位。これまで何度も同社を取り上げてきたが、業績に株価がついていかない、残念な値動きに終始してきた。現在も株価は、底近辺で動意していない。ここで再注目したのは明らかに事業環境が好転しているから。 10日、韓国・サムスンは、「テレビ向け次世代パネルの量産に1兆2000億円を投資すると発表した」。内容は、有機ELを独自改良した量子ドット有機ELパネルで、自社ブランドの65インチ向け以上の大型テレビに搭載する予定、と報道されている。これはフォトマスク専業である同社の強烈な追い風になる。 またこれに加え、台湾半導体製造大手・「TSML」の製造装置の発注が7-9月に、77億ドルと過去最高を記録した、と報道が続いている。これまでの4半期での最高額が40億ドルだったことを考えると、過去最高を飛躍的に更新したことになる。これは最先端の5nmプロセスだということで、20年のiphoneの新機種向けが予想される。もちろん「レーザーテック(6920)」のような、高額なEUV露光装置(※1台150億円)は、さらなる特需となるだろうが、株価は一本調子の右肩上がり。よって前述のサムスンの大型投資に加えて、フォトマスクメーカーTSML需要で空前の特需が予想されるので同社を選択する。 また別の銘柄も。親会社が、台湾・力成科技に変わり、半導体テストサービスに経営を集中させる「テラプローブ」(6627)にも注目している。半導体の中で今後の見通しが、唯一不安定だとされる「メモリ」以外の半導体のテストに特化できているのもよいだろう。こちらも株価2倍は狙えそうだ。 これ以外でも、景気敏感株と名のつくものは年末まで買いの可能性が高い。前述したように半導体関連はイチオシだ。マザーズ銘柄も、全体景気がここから上向くならば、極端に下がり過ぎていると判断していい。同市場の買いはマザーズ先物が一番オススメだが、損切りしやすいことを考えると、個別銘柄も指数を睨んで注目したいところだ。…