すでに上場が承認されている企業に、大臣官房審議官や局長まで務めた厚労省官僚が社外取締役として天下っていることがわかった。
この件を取り上げる理由は大きく2つある。
一つは、この元官僚は退任してから数年で、要するにまだ省内には影響力を行使できる親しい元部下がいるという事実。
そしてもう一つは、天下った上場承認企業は、有料老人ホームの入居者募集代理や介護に従事する者に特化した人材派遣業を行っており、まさに厚労省管轄の仕事をやっている事実。
情報提供してくれた介護業界関係者は、その理由をこう述べる。
「介護業界は旨みの少ない仕事です。それでも我々が頑張っているのは、やりがいのある仕事だからです。大物の天下りを受け入れるのは、彼のコネでもって旨みのある仕事にありつこうという魂胆がみえみえ。こんなことを許していたら、介護業界の抜本的改革はますます先送りされるだけ。天下り規定には引っかからないのでしょうが、それにしても天下る方も方なら、受け入れる方も方です」
(写真=薬害C型肝炎訴訟原告。政治決着したが、厚労省官僚は国民の安全より、自分たちの利権漁りに忙しいのか)