安倍晋三首相の親友が理事長を務める「加計学園」(岡山市)だけが、52年ぶりに特例で獣医学部新設を認められたのは総理・官邸の意向のお陰と見られる、いわゆる「加計疑惑」――「朝日」がスッパ抜いた「総理のご意向」などと書かれた文科省の内部文書につき、菅義偉官房長官は「怪文書」だとして収集を図ろうとしたが、当時、文科省の事務方トップだった前川喜平前次官が、「文書は本物」と告発したものだから、「加計疑惑」は収まるどころか、逆に炎上し出し、ヘタをすれば本当に安倍政権が崩壊する内容を秘めている。
それだけに、火消しする官邸側も必死で、前川前次官が在職時、「出会い系バー」に出入りしていたことをリークし、「読売」に5月22日に報道させた。これは前川前次官が「朝日」にリークした当人と見、その後の告発の動きを察して、買春疑惑が出るような人物の発言を信じられるのかと先手を打って信ぴょう度を落とす禁じ手を使ったことはまず間違いないだろう。
本来なら、前次官の告発は重みがあるのだから、総理、官邸の意向を忖度して表面だけの調査しかせず、「そんな文書はなかった」とする文科省も腰抜けだが、官邸も再度、徹底調査を指示すべき。確かに、官房長官は首相を補佐するのが役目だが、首相の疑惑隠しに協力するのはその範疇を超えていることはいうまでもない。前次官の証人喚問を早々に拒否した自民党も論外だ。
そんななか、杉田和博官房副長官の名前も出ている。
5月26日の記者会見で、菅官房長官は前川前次官が在職中、杉田官房副長官から「出会い系バー」のことで厳重注意処分をしたとの報告を受けていたことを認めたと明らかにした件だ。
実は本紙・山岡は杉田氏と面識がある。
それでライター仲間が、杉田氏のことを(批判的に)書くべきだといって来た。