本紙が事件化する約1年半前に第一報を出し、以降、徹底追及していた「岡本ホテル」(下写真。熱海市上宿町)などを舞台にした預託金詐欺事件で次々と判決が出ている。
首謀者で、実質オーナーの大東正博被告(冒頭写真)に対しては5月30日、東京地裁で懲役18年(控訴中。求刑は20年)。会員権販売をしていた関連会社元社長、山脇一晃被告(58)に対しては6月26日、懲役5年(求刑10年)の判決が出た。
容疑は単なる詐欺ではなく、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)。その上限は20年の有期懲役とはいえ、下限は1年。大東被告に対しては、求刑が上限なら、判決18年といくら首謀者とはいえ重いとの見方もある。大東被告は現在61歳であることを思えば、実質、無期にも等しい判決だ。
6月4日には、地元の「熱海新聞」(下写真)が、預託金を騙し取る道具となった10近いホテル(会員制ホテルの預託金名目で取っていた)の中核で、最も格式があった「熱海岡本ホテル」がすでに解体され、その跡地を熱海市が取得することを検討しているとの記事を報じている。