アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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入手ーー本日の証人喚問でも焦点になったCーXエンジン選定疑惑の証拠とされる守屋前次官発言3回の「装備審査会議メモ」全文(中)

守屋武昌前次官の装備審査会議における1回目の発言は、「提案書受領から決定まで5カ月掛かった理由」を質している。  時間がかかりすぎているのではないのか、というニュアンスが発言から汲み取れる。  2問目も、これに関連する趣旨の質問であり、「提案書の確認作業にどの程度時間が掛かったのか」を尋ねている。  前回のメモの流れを見ればわる通り、これは「作業は円滑に無駄なく進んだのか」という確認の言葉であり、いずれの問いに対しても、担当部門は「特に長かったというわけではない、膨大な作業を行った結果だ」と説明、守屋氏も他の出席者も、この件でそれ以上、質していない。  守屋氏の最後の質問は、「決定されたメーカーにはいつ連絡するのか」というものだ。  装備審査会議は決定機関ではなく、あくまで防衛相(当時も石破茂現防衛相が防衛庁長官だった。横写真)の諮問機関。この審査会議で決められた方針を受け、防衛庁長官が「最終決定」する。  守屋前次官は、この大臣決定が出てからメーカーに伝えるまで、どの程度時間を掛けるのかに興味を示したのだろう。  この3回の発言を通じて、守屋氏は「作業行程・プロセス」に関心を持っていることがわかる。そして、彼の発言のどこにも「GE」という会社名は登場しない。 (冒頭写真=「日経新聞」本日夕刊)  本日の証人喚問で、守屋氏が自ら挙手して発言を求め、この点について釈明した気持ちもわかるような気がする。  それにも拘わらず、前回見たように、「読売新聞」はなぜ「GE絡み発言3回」の見出しを付けたのか。  もっといえば、この会議全体の中で、機種決定の是非を巡る議論は、全くと言っていいほど交わされていないことがわかる。  選定の是非を巡る唯一の発言は、北原官房長(当時)の『変な外交ルートからのアプローチは有ったか?』という発言のみ(これを担当部署は否定している)。  なぜ、機種選考そのものに関する発言がなかったかと言えば、十分な時間を掛けて技術研究本部が結論を出し、かつその理由を明記した「資料」を会議に供していたから、幹部一同「特段、文句を付ける所が無かった」からだろう。  この報告書の全文も入手することが出来たので、以下、興味深い部分を紹介しよう。  技術研究本部が作成し、「装備審査会議資料」と銘打たれたこの文書は、表紙を入れると31ページに及ぶ。  内容はエンジン選定の経緯や、3社が提案したエンジンの概要説明、選定にあたってチェックしたポイントと、3社がそれに適合したかどうか。価格面では、ライフサイクルコスト(メンテナンスを含む総経費)と開発経費(新規開発されるC-X機体(写真)へのマッチング等に掛かる費用諸々の合計)の比較に及び、最終的に結論を記して結んでいる。  この中で、7ページ目(表紙除く本文)に、「提案エンジン」と題された3社のエンジンの概要を説明した箇所がある。  表の形で3社のエンジンを比較する箇所では、提案エンジン名称、概要図、提案企業名、製造会社名、国内代理店、運行開始時期、最大推力・・・といった項目毎に書かれている。問題の箇所は、5項目目の「国内販売代理店」だ。ここに3社それぞれ、GEは「(株)山田洋行」、プラットアンドホイットニーは「三菱商事(株)」、ロールスロイスは「新東亜交易(株)」と記されている。  文書に出てくる「(株)山田洋行」の文字は、この1回だけなのだ。  偽証疑惑の最大の根拠である「資料に明記されている」という実態は、この1行だけだったことが改めて明らかになったかっこうだ。  さて、審査会議に供された31ページの資料というと、一般には「大量」というイメージで受け取られるかもしれない。しかし、実際には極めて簡潔に、詳細を大胆に省略しながら、重要な論点に絞ってまとめられている。  機種選定における重要なポイントは大きく分けて2つ。「能力」と「価格」だ。  このうち「性能」は、機体への適合性や性能、重量、操作性・・等々について評価されているが、3社とも防衛庁(当時)の設定した基準に合致するとして「○(マル)印」が与えられている。この他、第一段階評価の対象となった項目は生存性、安全性、信頼性、整備性、環境への配慮、対環境性など・・合計104項目にも及ぶが、3社のエンジンはこのいずれも全ての項目について「○」が与えられている。早い話、「質」では、差がつかなかった、と言うわけだ。  そこで、いよいよ選定の正否を分けるのは「価格」となり、これが第二段階評価で審査されている。結果は、「開発経費」の面でも、「量産経費」(ライフサイクルコスト)でも、GE社提案が一番安かった。…

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