守屋武昌前次官の装備審査会議における1回目の発言は、「提案書受領から決定まで5カ月掛かった理由」を質している。
時間がかかりすぎているのではないのか、というニュアンスが発言から汲み取れる。
2問目も、これに関連する趣旨の質問であり、「提案書の確認作業にどの程度時間が掛かったのか」を尋ねている。
前回のメモの流れを見ればわる通り、これは「作業は円滑に無駄なく進んだのか」という確認の言葉であり、いずれの問いに対しても、担当部門は「特に長かったというわけではない、膨大な作業を行った結果だ」と説明、守屋氏も他の出席者も、この件でそれ以上、質していない。
守屋氏の最後の質問は、「決定されたメーカーにはいつ連絡するのか」というものだ。
装備審査会議は決定機関ではなく、あくまで防衛相(当時も石破茂現防衛相が防衛庁長官だった。横写真)の諮問機関。この審査会議で決められた方針を受け、防衛庁長官が「最終決定」する。
守屋前次官は、この大臣決定が出てからメーカーに伝えるまで、どの程度時間を掛けるのかに興味を示したのだろう。
この3回の発言を通じて、守屋氏は「作業行程・プロセス」に関心を持っていることがわかる。そして、彼の発言のどこにも「GE」という会社名は登場しない。
(冒頭写真=「日経新聞」本日夕刊)