4月1日、全農系農薬大手「クミアイ化学工業」(東京都台東区)株は東証1部値上がり率1位だった(初値208円→終値286円。約38%)。
この地味な企業の株価に異変が見られたのは、まず3月6日だった。普段の出来高は数十万株に過ぎないところ、何と約961万株。
翌日には急減したが、3月27日から再び出来高が異常に多くなり、4月2日には年初来高値355円をつけた(写真=チャート図)。
もっとも、同社が3月13日に発表した第1四半期決算の前年比利益は大幅マイナスで、株価が上がる決定的な材料は見当たらなかった。
この株価急騰の背景には、実は同社の農薬不法投棄疑惑を材料とした仕手筋による空売りの動きがあったのだ。