冒頭に掲げたように、4月11日の「読売新聞」(静岡版。写真左記事)、同日の「静岡新聞」(同中央記事)といった大手マスコミも、東証1部で、全農系農薬大手「クミアイ化学工業」(東京都台東区)の土壌汚染疑惑に関する報道を始めた。
4月7日発売の『紙の爆弾』(冒頭記事)によれば、同誌が「質問状」を出したところ、クミアイ化学の弁護士から否定する回答が寄せられたそうだが、しかし念のため、指摘された静岡市清水区北脇新田の土壌調査を行うことを明らかにしてしており、大手紙の記事はそのことを報じている。
同報道によれば、廃棄物処理法が施行される(1971年)前、清水工場から農薬製造過程で出る廃棄物を埋めた事実があり、法律違反ではないが、疑惑の指摘を受けたため、自主的に井戸水の水質調査、ボーリング調査を行うという。5月の連休明けには調査を終わる予定だという。
もっとも、本紙はすでに3月17日に第1報を出しているが、その際、土壌汚染を裏づけるものとして「土壌の溶出試験結果」が添付されていたことを報じている。
だが、その後の追加取材で奇っ怪な事実が判明したため、この疑惑そのものではなく、クリミア化学のカラ売りとこの疑惑が連動しているカラクリについて4月3日報じた。 では、その奇っ怪な事実について明かそう。