アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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大甘だったわが国原発の耐震性基準――存在しなかった活断層が次々と発見されるカラクリ

 4月1日、全国紙にわが国原発の耐震性再評価の結果が載った(写真=「朝日新聞」)の同記事)。
国は2006年9月、28年ぶりに原発の耐震設計審査指針を改定。それに基づき、すでに6事業者が報告済みで、3月31日に出された「東京電力」、「関西電力」などの報告で原発12業者すべての原発を地震が襲った場合の想定される揺れの最大値(単位ガル)が出揃ったことになる。今後、国はこの業者側の再評価で問題ないか検討していく。
この再評価を見て驚かされるのは、その想定される最大値が18原発すべてで、これまでの想定の1・2~1・6倍と上回っている事実。有り体にいえば、これまで大甘に見ていたことが証明されたわけだ(下写真=昨年7月、新潟中越地震で想定外の激しい揺れに見舞われ、初の原発火災が発生した柏崎刈羽原発全景)。
 なぜ、こんなことが起きるかと言えば、これまで原発の近くには存在しないとされた活断層が発見されたり、存在することはわかっていたがその活断層の長さがもっと長かったことが新たにわかったからだ。
本当にこれまでの技術等ではわからなかったのなら致し方ないが、冒頭の朝日新聞記事にも出ているように、活断層の専門家からいえば、「地質学の基本をねじ曲げた解釈」、あるいは「専門家がやったとすれば犯罪」と言わざるを得ないような、原発業者の耐震コストをできるだけかけないように配慮しているとしか思えない「専門家」がいて、その者が原発の近くに存在する活断層を「ない」、あるいは活断層の長さを「短め」とし、それに基づいて耐震性の最大値をはじき出しているのだから当然の帰結なのだ。
そんなバカなと思われるかも知れないが、そのカラクリを暴いた本が、すでに昨年末に出ている。

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