アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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上告棄却ーー「オリンパス」、内部通報社員の配転は“報復”だったと確定

 例の巨額損失隠し事件で信用は失墜、買収の話も出ている「オリンパス」(7733。東証1部。東京都新宿区)だが、恥の上塗りといってもいい結論が6月28日付で出た。
オリンパスの社員である浜田正晴氏(51)は、内部通報によって不当に配置転換されたとして提訴。昨年8月、「(配転は)通報に対する制裁が目的で、人事権の乱用に当たる」との浜田氏勝訴の逆転二審判決が出た。これを不服としてオリンパスは上告していたが、最高裁はこれを棄却する決定をした。
「上告審は憲法違反の案件しか扱わない。結論先延ばしの時間稼ぎ以外の何者でもない。しかもほどなく巨額損失隠し事件が表面化。さらに今年1月には東京弁護士会がオリンパスに対し、浜田氏の件は“重大な人権侵害に当たる”と異例の警告を出しました。ですが、それ以降も、オリンパスは上告取り下げはしないし、浜田氏の社内での扱いも従来通り、仕事を与えずただ机の前に座らせ続けていた(周りの社員は一切無視)んです」(関係者)
上告棄却により、配転無効、法人としてのオリンパスと上司1名に計220万円の支払いを命じた東京高裁の二審判決が確定した。
そもそも、巨額損失隠し事件にしても、会社にとって都合が悪いことは隠すというオリンパスの風通しの悪い体質にあると見られるが、浜田氏が違法な配転をされた原因も共通していた。
(上写真=訴訟の経緯を振り返った浜田氏の著書『オリンパスの闇と闘い続けて』。光文社。今年4月17日発売)

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