アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「新日本科学」も深く関わる、「錦江高原」(鹿児島市)の大規模不法投棄問題

前臨床試験受託の最大手「新日本科学」(2395。東証1部。鹿児島市。永田良一会長兼社長=冒頭写真)は、17年に定款の一部を変更し、リゾート地開発のコンサルタント、企画、設計、リゾート施設利用会員権の売買や仲介などの事業を追加した。
もっとも、それから2年以上経つが、この事業で売り上げがあったとの話は聞かない。
しかし、それは無理も無い。
新日本科学がこの新規事業を始めようとしたのは、鹿児島市の錦江高原でリゾート開発を始めようと、かつて同地で営業していたものの、経営不振で競売になった錦江ゴルフクラブや錦江高原ホテルの所有地を取得した中国系企業「弘久実業」(17年5月設立時本店は東京都文京区。今年5月、鹿児島市に移転)と組んでのことだった。
 ところが、弘久実業、いざ開発を始めようとしたら、取得したのは以前のゴルフ場などの経営会社の所有地約112万平方メートルのうちの約93万平方メートルに過ぎなく(鹿児島銀行が抵当権を付けていた分)、何より、前の経営会社が鹿児島県から開発許可、鹿児島市から都市計画法の許可を受けて工事中であった(工事が完了してない)ことから、競売落札者は開発ができない(前の会社から開発許可の承継か譲渡を受けないと)ことがわかった。
しかも、未買収の約20万平方メートルは神社、駐車場など競売不動産の奥地に位置するため、競売不動産を通行する権利があるため、弘久実業は所有地を完全に柵で囲んで侵入不可能にできない。
「そのため、ひとつしかない入口の門扉を施錠封鎖することはできないから誰でも出入りできる。要するに、広大な山林地で、そこに前の建物が半壊状態であり、人の目もない、開発もしていない、野ざらし状態ということで、ゴミ不法投棄の格好の場所(横写真)になってしまったんです。
 こうしたなか、健康被害、山火事などに繋がるとの苦情が出ています。鹿児島市役所産業廃棄物課によれば、『新日本科学が管理者として鹿児島南警察署に届けているから様子を見ます』とのことですが、事態はそんな悠長な話ではないでしょう」(情報提供者)
この情報提供者、事態を憂え、周辺住民や市民に現状を知ってもらうために地元TV局に取材要請。実際、地元TV局は現地取材し、憂うべき事態と語っていたという。
ところが、「弘久実業が所有する土地で、同社に無断で撮影したことについて、法律の専門家の助言も仰いで検討した結果、弘久実業や新日本科学とのトラブルを回避する必要があるとの判断に致しました」と放送見送りになったという。
しかし、地元TV局は「管理者」たる新日本科学に複数回取材依頼し断られている状況であり、ならば放送してもいいはず。
それにしても、なぜ、土地所有者の弘久実業ではなく、新日本科学がこの土地の「管理者」なのか?
実は本紙はこの土地を巡る件で、以前、報じている。
その関係から、地元マスコミがダメならと本紙に情報提供があったわけだ。

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