アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

一般住宅への火災警報器設置義務づけと消防庁利権

 最近の高齢者を狙った新手の詐欺の手口の一つに、火災警報器の販売がある。一般住宅への設置がすでに義務付けられているのは全国の自治体のなかでもまだほんのわずかで、東京都も2年半先(2010年4月)の話。それをあたかもすでに設置が義務づけられているように誤信させるというか、騙すのがその手口。  ところが最近、都内で電車に乗っていると「つけましたか? 住宅用火災警報器」という大きな見出しのポスターを見て、ぎょっとしたという方が多い。別に設置が早まったわけではない。かといって、どっかの火災警報器販売会社が詐欺まがいの宣伝をやっているわけでもない。  このポスター(写真)を出しているのは、ご欄のように東京消防庁と2つの財団法人。よく見てみると、「つけましたか?」の下には、設置は「平成22年4月1日から」と書かれているから、決して詐欺まがいの宣伝ではない。  だが、まともに広報しようとすれば、こういう紛らわしい内容は止め、最初から「平成22年4月からなります!」とストレートに伝えればいい。それより何より、お役所のやることは“遅い”のが相場のなか、この早さ、熱心さは一体何なのか。もちろん、それには理由がある。  2002?03年にかけ、「消火栓標識」(東京都中央区)という何とも紛らわしい社名の民間企業が世の非難を浴びたことがあった。  約3年間に渡って約700本もの消火栓標識を無許可で抜き取り、自分たちの仕事(消火栓標識を付ける)を作っていたという余りに無茶なことをしていたのだが、なぜ、それまで処分を受けなかったのか。  実は同社会長には東京消防庁の総監が天下っていたからなのだ。  そして、その元総監が先に天下る関連団体の一つが(財)「東京防災指導協会」であり、こうした不正を監督するのが(財)「東京連合防災協会」。そう、警報器のポスターに東京消防庁と共に仲良く名を連ねている2つの財団法人。  ちなみに、消防庁関連でも山のようにわけのわからない財団が存在し、元総監は平均2年毎、これらの3つに天下りる。その6年余りで5000万円とも言われる退職金を消防庁退職時とは別にもらうのは、他のお役所と変わらない。  さて、「東京防災指導協会」の現理事長である杉村哲也氏(写真)も、第18代消防総監だった。また、同専務理事は東京消防庁の指導広報部長や救急部長を務めていた。  ちなみに、この財団、「アルゼンチン債」という外債に手を出し、投資した6000万円をすべて損したこともある。  こうした前例を考えれば、今回も歴代総監などを受け入れた民間企業がボロ儲けする構図が目に浮かぶ。それでなくても、消火器といい、防災関係のものは競争原理が働いていないらしく高額と来ている。その背景には、これら関係企業に消防庁幹部が天下り、一般競争の下で受注が行われていない事情があると思われる。そして、そんなものを買わされる一般庶民はたまったものではない。  お役所が繰り出す大きな“指導”の背後には、必ず自分たちの天下り先確保など大きな利権があると見ていい。…

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