アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<新連載>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』(第5回)「韓国映画の警察の描かれ方」

 筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

  間をあけてしまってすみません。連載再開します。
またまた映画の話題から入りますが、最近観た新作で、拾いものだったのが韓国映画『黒く濁る村』。数年前、『シルミド』という衝撃作(この間の「北朝鮮砲撃」関係のワイドニュースで、南北対決の隠れた歴史を知る上で好適と紹介)を撮ったカン・ウソク監督の、何とも禍禍しく、殺気に満ちたミステリードラマだ。
辺境の村で起きた大量死の惨劇から、30年の時を経て、殺人、不可解な死、新興宗教と救世主、村を牛耳る元刑事と元凶悪犯グループ、真相を探る青年、謎めいた村の女、左遷された検事などが、入り組んで、過去と現在をつなぐ異様な人間模様が浮き彫りにされてゆく。
たとえば、ひと昔前の横溝正史、松本清張、さらには江戸川乱歩ものにも似たところはあるが、韓国映画ではここ数年の、『殺人の追憶』『オールドボーイ』『チェイサー』『母なる証明』などといった、意表をつくサスペンス&不条理&因果応報&社会矛盾といった流れで観たほうが分かりやすい。
映画の話は、あとは観てのお楽しみとして、一連の韓国映画の話題作を観て感じるのは、警察や検察といった国家権力の末端の連中の描き方が、日本ともアメリカとも違ってやたら面白い。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧