アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<新連載>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』(第12回)「放射能の恐ろしさを描いた映画なら、これ」

 筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 3月11日以降はしばらく、さすがに思考も仕事もはかどらなかったが、腹の立つこと多く、言いたいことも山ほどあるが、ここは連載にふさわしいことを書かなくてはなりません。そんなわけで、ホットな話題に引きつけて、放射能の恐ろしさを描いた映画を考えてみた。といえば、第3次世界大戦=核戦争ものか、核戦争後の未来社会SFか、ヒロシマ・ナガサキか、ゴジラおよび突然変異怪獣ものか、原発事故か、などなど、そうなるとあの映画、この映画があとからあとから湧いてくる。そこで特に気に入っている、あまり知られていない映画を紹介しよう。
 特に、進行中の現実のなかで見れば一段と戦慄するだろうと思うイチ押しは、『魚が出てきた日』(1967年 イギリス・ギリシャ合作 マイケル・カコニヤス監督)。舞台はギリシャあたりの観光客が群れる海岸の町、ここに放射能物質を積んだ米国の飛行機が不時着。その危険な「箱」が住民たちに拾われてしまい、それを必死で探す乗組員らとのすったもんだの、すれ違いドラマがおとぼけコメディ調で展開する。併行して観光客は飲んで踊ってばかりで、このテの映画にありがちな深刻な社会告発とか、サバイバルサスペンス的な要素も乏しく、これは軽薄な脱力コメディではないかと誰しも思うに違いない。ところが、クライマックスで、一気に凍りつく。

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