本紙がいち早く報じた、「不倶戴天の敵」だった創価学会と矢野絢也元公明党委員長の2月10日の「歴史的和解」から約1カ月ーーここに来て、この誰も予想だにしなかった件の仕掛け人につき、仙谷由人元官房長官(冒頭写真)ではないかとの説が出て来たので報告する。
仙谷氏といえば、官房長官や法務大臣などを務めたことを思えば、現在の党政調会長代行というポストは不服だろう。
そこからの巻き返しというか、実力を誇示すべく、先の農水省スキャンダルでも仕掛け人説が出ていたのは本紙で既報の通り。最近は、自民党の大票田を壊すべく東電の国有化に水面下で動いているとも報じられてもいる。
また、ここでもと思われるかも知れないが、学会と矢野氏の件といえば、ある意味、もっともしっくり来るのは事実。なぜなら、仙谷氏の公設第2秘書は矢野氏の息子・矢野清城であることは知る人ぞ知る事実だからだ。事情を良く知るという政界関係者が明かす。
「仙谷氏が動く契機になったのは、昨年10月に出た『週刊文春』の池田大作名誉会長の病状に関する記事(上写真)ですよ」。
昨年12月29日号には、この10月の記事につき、学会からの「該当する看護師は存在せず事実無根」との抗議を受け、証言者が看護師であるとの確証を得るに至らなかったとして、「週刊文春」は「病状についての記述を取り消し、ご迷惑をおかけした関係者にお詫びします」との文面を出している。これだけ聞けば全面謝罪と思うだろう。だが、その文面が載ったのは、最終ページの「読者より」コーナーで小さく、実質的には謝罪とは言い難い。
「この記事を見た仙谷氏は、池田名誉会長は再起不能と見て、学会の弁護団のトップと親しいある経済人を送り、和解の件を打診したんです。