最近の中国産うなぎは健康上危険との報道は、政治的側面が強いのではないかとの説が養鰻業界周辺でかなり根強く囁かれている。なぜ、なのか。検証してみた。
今回以前、2002年4月には中国産うなぎから水銀検出の報道があり、やはり中国産うなぎが敬遠されたことがあった。この時の発端は『週刊現代』の報道だった。
このネタ元は、「日鰻連」という国産うなぎ養殖業者の団体だった。もっとも、同団体の九州の養鰻業者が調査を提案したものの、本部は消極的だった。そこで鹿児島の組合が資金提供して調査したら水銀が出、その理事会報告書コピーが『週刊現代』に持ち込まれた。
天然ものだけでなく国産養殖うなぎも、中国産など海外産よりはかなり高値。これに対し、安い方を求める消費者は多く、結果、国産養殖業者の経営はひじょうに厳しく、この報道は国産養殖業者にとっては神風のようなものだった。
だが、その後の厚労省の調査では、中国産から水銀は検出されていない。
(右写真=シラスウナギ)