前回(1)、東証1部、「バンダイ」(現バンダイナムコホールディングス)の元社長・山科誠氏(冒頭写真)が、“裏スキーム”を使って、すでにバンダイナムコの株式は保有していないにも拘わらず対外的に大株主と見せ、かつ、株売却益の納税を先送りしている重大疑惑につき報じた。
では、この裏スキームは誰が考えたのだろうか?
山科氏に、そのようなスキームを考える知識はない。
かといって、番頭役の役員も「バーテンダー上がりで、ビジネス経験もない」(関係者)ということで、「サンカ」を始め、山科氏の一連の個人関連会社の監査役や取締役などに就いている2人の国税OBの存在が注目される。
これは、単に国税OBがこうしたことに詳しいからという憶測でいっている話ではない。しかも、そういう視点で調べてみると、この2人はあの谷部龍二氏(横写真)の一派に属することがわかった。そう、ノンキャリながら熊本国税局長にまでなり、本紙既報分だけ見てもキャノンに食い込んでいた「大光」、安部晋三元首相にも食い込んでいた北海道霊園経営会社、さらに大手広告会社「博報堂」顧問にも就いていた、“国税ノンキャリのドン”ともいわれる御仁のことだ。高額納税者でもある。
まず、この2人が谷部一派と思われる根拠を示そう。
これまで山科氏関連で何度も報じて来たように、かつて山科氏は資産家だったものの、ここに来て資金難に陥っている。
それは、これまで無抵当だった神奈川県逗子市の豪邸(名義は山科氏個人会社の1社「サンクーコーポレーション」)に、今年1月24日、2000万円の抵当権が設定されていることからも窺える。
その抵当権者だが、東証1部上場の不動産担保ローン専業大手「アサックス」(東京都渋谷区)だ。
このアサックスは07年2月と、まだ上場してからそう日は古くない。
そして、上場するまで同社税務顧問を務め、同社株を分けてもらっていたのが他ならぬ谷部氏なのだ。