大手マスコミ既報のように、企業年金を主とした投資資金約2000億円の大半を資産運用で失ったと見られる国内独立系の投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)――。
最大の問題は投資失敗の事実を隠し、儲かっていると見せていたこと。ただし、預かった資産をそもそもまともに運用していなかった可能性さえあるようだ。というか、250%の高利回りを謳って勧誘していた(下写真=「毎日」25日)となると、それだけでもとてもまともとは思えない。
ところが、そのAIJ投資顧問の顧問を、あの植草一秀氏(冒頭写真)が04~06年ごろまでやり、何度か同社主催のセミナー講師を務めてもいたという。植草氏本人が自分のHPで昨日、明らかにしている。
確かに、そこで植草氏自身語っているように、「AIJ社(と)の関係は、純粋に経済金融情勢についての情報を私の側から一方的に提供するということだけに限定されており、それ以外の、AIJの業務には、一切関与していないことを明示させていただく」というのはその通りだろう。
だが、不思議に思うのは、植草氏の職業は経済評論家であり、経済学者だが、なぜ、その氏が投資顧問会社の顧問なのかという点。
いまさら、青臭いことをいうなとの声もあるかも知れない。だが、これでは問題先物会社の講師を務め、同社は実質、講師を宣伝に利用しているのに、「問題ない」と言い訳していた竹中平蔵や舛添要一氏らと同じではないか。
そもそも、経済のプロが、大きな金銭が絡みかつ元本保証になっていない投資顧問会社の顧問に就くこと自体、おかしくないか。