従軍慰安婦制度を「必要だった」と述べたり、在日米軍に風俗業活用を促すなどの発言が、物議を醸している「日本維新の会」共同代表で、大阪市長の橋下徹氏(43)――。
しかし、彼がこうした発言をする人物であることは先刻承知のことであり、何をいまさら騒いでいるのかというのが本紙の率直な感想だ。
先に断っておくが、本紙は決して、太平洋戦争時における慰安婦制度なるものがなかったといっているのではない。
そうではなく、そのことと必要性は別次元の問題だし、まして昔あったからいまも利用したらいいというような問題でもないということだ。
それより何より、橋下氏が致命的なのは、韓国人の慰安婦の強制連行を裏づけるわが国政府資料が見つからない=無いと断言し、取り上げる必然性もないいま、わざわざ発言し、関係者を傷つけ、結果、国益を損ねてもいる。こういう問題で傷つくのは、いつの世も社会的弱者だが、彼にはそういう者に対する配慮が微塵も感じられず、本紙はそういう者は政治に関わる資格無しと思っている。そうした視点から、本紙は人気絶頂のころから、一貫して橋下氏に批判的立場を取って来た。
そうした視点からいえば、橋下氏はすでに03年、同じような発言(暴言)をしていた。日本人男性の中国での集団買春=中国へODAしてやっている発言がそれで、本紙はかなり前からその点を指摘していた。
(上写真=『週刊ポスト』04年1月23日号の橋下氏の連載コラム「まっとう勝負!」)