9月1日は防災の日。ちょうどこの日に発生し、44名もの死者を出した新宿歌舞伎町のビル火災からちょうど10周年ということで、大手マスコミはこの件を一斉に報道。
現場近くの献花台に、花を手向け、「娘の死を無駄にしないで」といった遺族の声を紹介していた。(冒頭写真=左・「朝日」、右「毎日」9月1日記事)
だが、「娘の死」は現実には無駄になっているといわざるを得ない。
放火犯は捕まっていないし、火災ビルのオーナー・瀬川重雄氏(下写真)は有罪になったとはいえ、かなりの資産を有していることから、慰謝料を払って実刑にならなかった。その後も都内の不動産に積極的に投資。株もいじり、上場企業の実質、オーナーにも。その過程で数々の疑惑も持ち上がっている。とてもではないが、反省の色など見えない。
だが、大手マスコミはそうしたことは一切報じ無いどころか、瀬川氏の実名さえ出してない。これでは、亡くなった44名はまさに「犬死に」ではないのか?
この10年の間に、この歌舞伎町の火災ビル跡地の所有権は3回替わっている。最新は昨年10月。この所有権移転についても疑問の声が上がっている。