アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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あの「目黒雅叙園」増築計画への疑問(複数の「ハゲタカ」外資が蠢く)

 ホテル、結婚式場運営の「目黒雅叙園」(東京都目黒区。左写真)は昨年12月、増築計画を発表した(右写真)。  すぐ近くにあった「雅叙園観光ホテル」(東証1部「雅叙園観光」が運営していた)はあのイトマン事件の主役・許永中一派に食い込まれるなどして経営破綻。永らくその跡地(目黒雅叙園の所有)はコイン駐車場になっていたが、計画通り進めば、約2年半後にはそこに目黒雅叙園の新設エントランス棟がお目見えする(横写真参照のこと)。  だが、経営状態を考えた場合、果たして増築などしているゆとりがあるのか疑問の声も上がっている。  というのも、周知のように、目黒雅叙園も約800億円とも言われる過剰投資の挙げ句、2002年8月に経営会社「雅秀エンタープライズ」は破綻した。  その後、外資ローンスターが既存の都銀などからの債務を肩代わりして来た。だが、そのローンスターはここに来て、巨額投資先の韓国外換銀行の不正問題によるリスク懸念などから、わが国の投資も回収を急いでいるとされ、東京スター銀行と並行し(写真=「日経」4月23日夕刊)、雅叙園の債権も近く売却される見通しだからだ。その場合、売却額は1000億円規模になる。  また、この間の再建に関しても首を傾げる関係者もいる。  例えば、前出・雅秀エンタープライズの破綻後の2003年4月、財務省が同社に対して、目黒雅叙園の敷地の所有権を払い下げた事実。  前述のように、雅叙園観光跡地に関しては自己所有だったが、その10倍はある目黒雅叙園本体の敷地は旧・大蔵省から借りていた。そもそも目黒雅叙園側が所有していたところ、相続税対策のため物納した(1968年)経緯があるとはいえ、経営破綻後して1年後の払い下げは、主力行の旧・東京三菱銀行など4行(約800億円)へのテコ入れと見られてても仕方ないだろう。  雅叙園観光の跡地だけでは、大幅に担保割れしていたが、この払い下げの結果、直ちに新生銀行が654億円の根抵当権仮登記を設定。雅秀エンタープライズの破綻と同時に、東京三菱など4行の雅叙園観光跡地に設定されていた計約40億円の債権がローンスター側に譲渡されているのは、土地払い下げの前提あってのことではなかったのか。  また、雅叙園観光跡地分の土地に関しては、その後、所有権はSPCに移っていたが、昨年11月末、わざわざ前出・雅秀エンタープライズが買い戻しているのも疑問といえば疑問だ。  なお、前述の新生銀行による融資はその後、外資モルガン・スタンレーを経て、今年2月9日、さらにドイツ銀行グループの「DB信託」へ。同信託が仮登記した債権額は864億円になる。 (写真は文化財が多い目黒雅叙園の各部屋) …

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