アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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ここまで来た労働組合弾圧ーー建造物侵入で14人逮捕(のち不起訴で全員釈放)

今年3月25日、中央大学(東京都八王子市。写真)の卒業式で情宣活動を行っていた労働組合員14人(三多摩合同労組など)が、「建造物侵入」容疑で八王子警察署に逮捕されるという事件があった。  わずかに大学の敷地内に入っただけで、有無を言わせず一斉検挙。狙いすまし、最初から逮捕あり気で、さすがに全員不起訴となったものの、ただビラまきをしていただけで20日間もの長期拘留という、これまでの常識では考えられない事件だ。  そもそもの発端は、中央大学生活協同組合に勤めていたあるパートの従業員(仮にYさんとする)が有給休暇を要求したところ、解雇されたことに始まる。  Yさんは「三多摩合同労組」とともに生協当局に対し団体交渉を申し入れたが、当局はこれを拒否。やがて06年夏ごろから中央大学当局も生協側と一体になって、キャンパスでの情宣活動などに対して「退去勧告書」を通告するなど、一貫して労働者側の要求をはねつけて来たようだ。  そしてこの3月25日、大学卒業式での労組のビラまきに対して、大学側はパトカー10台分にもおよぶ警察を大学キャンパスに招き入れ、一斉逮捕に踏み切らせたというわけだ。  パートの従業員が有給休暇を要求しただけで解雇される。それだけでも問題だが、さらに、これに対して組合が団体交渉を要求しただけで、今度は逮捕される。こんなことがまかり通っていたら、ただでさえ「格差社会」のなかで立場の弱い非正社員はますますモノが言えなくなり、無権利状態になって行くのではないだろうか(しかも、中立な機関である労働基準監督署のもとにある労働委員会は、生協に対して団体交渉に応じるよう勧告していたのだ)。  もうひとつ見逃せないのが、ビラまき(建造物侵入)という“微罪”で20日間も長期拘留された理由だが、拘留理由開示公判で警察側は「証拠隠滅と逃亡のおそれ」をあげた。「ビラまきの“現行犯”で、証拠隠滅なんてあり得ない。明らかに労組に対する嫌がらせで、事件そのものを追及するのが目的ではない。できるだけ長く拘留して、組合活動を妨害するのが警察の目標だろう」(ある救援関係者)。 「三多摩合同労組」は、本紙でも何度も取り上げた、「現代版治安維持法」=「共謀罪」の成立反対運動にも積極的に関わっている。その意味では、共謀罪反対運動をターゲットにした警察権力による強権的な弾圧とも言えるだろう。  大手マスコミはまったく黙殺しているが、非正規労働者の権利や、言論活動の自由という点から見て、この事件の不当性はもっと注目されるべきだろう。 (写真=大阪でも2005年1月13日、生コン組合委員長等が会社に対する威力業務妨害、強要未遂容疑で逮捕された。発行はアットワークス)。…

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