アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<新連載>「ホリちゃんの眼」(スポーツ、芸能担当)第1回「プロボクシングの達人・井上尚弥研究」(1)

 筆者・堀川嘉照(ほりかわ・よしてる)。1966年生。都立上野高等学校卒。16歳からボクシングを始め、19歳プロデビュー。20歳でソフトウェア会社設立。23歳で日本バンタム級ランキング入り。引退後、ボクシング興行を手掛ける。50歳よりジャーナリズムの世界へ。

いま、世界のトップを狙える日本人アスリートといえばゴルフの松山英樹、テニスの大坂なおみ、野球の大谷翔平など。そして、ボクシング界にも待望の世界に誇れるアスリートが出現した。
WBA&IBF世界バンタム級チャンピオン「井上尚弥」(26)だ。
プロボクシングには4つの団体があるが、一昨年から、各団体の王者や有力選手を集め、真の世界一を決めるトーナメント戦「WBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)が行われている。
 尚弥が属するバンタム級では8人が対戦。彼はすでに昨年10月の初戦、今年5月18日の準決勝共にKO勝ち。決勝を残すだけだが、その相手ドネア選手は36歳とピ-クを過ぎており、先の準決勝の19戦全勝ロドリゲス選手(26)との試合が事実上の決勝と見られていた。が、それでも2回でKOした。
ところで、ボクシングの歴史を辿ると起源には諸説あるが、紀元前600年代に古代オリンピックで競技として採用された説が有力だ。日本でボクシングが本格的に始まったのは1921年、サンフランシスコで修行を積んだ渡辺勇次郎が日本で最初の「日本拳闘倶楽部」を設立した。したがって、わが国における歴史は100年ほどだ。
その日本ボクシング界において、これまで「天才」と呼ばれた選手は「100年に1人の天才」具志堅用高、「150年に1人の天才」井上尚弥の師匠である大橋秀行、「浪速のジョー」辰吉丈一郎。そして、井上尚弥もアマ時代から天才と呼ばれていた。
「天才」の上級を呼称するなら「達人」と呼ばせていただこう。そして、すでに井上尚弥は達人の域にある。彼はいかにしてその域に達したか、それを突き詰めてみたいーー。

井上尚弥はインタビューで「人は3分間も絶対に集中できないから集中力が途切れた瞬間、目、呼吸、一瞬の間(ま)を見てますね。息を吐く瞬間というか相手が反応できないだろうタイミングがあり、いま打ちに行ってもカウンターは来ないだろうという間。それは雰囲気で。それが合ってるか間違ってるかは行ってみないと分からない」と語っている。

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