アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(727)「たそがれの野村證券」

野村證券」(野村ホールディングス)の時価総額は1兆2423億円(先週末。以下同)で証券業界ダントツの1位。とはいえ、従業員数は3万名近く(連結。以下同)もいる。
2位の「大和証券」(大和証券グループ本社)の時価総額は8095億円だが、従業員数は約1万5000名と野村の半分。
3大大手の一画を占める「SMBC日興証券」は未上場なので省き、上場しているところで見ると3位はグッと下がり「東海東京証券」(東海東京フィナンシャルホールディングス)の時価総額917億円。従業員は約2900名だ。
もっとも、これらはあくまで対面営業主体の証券会社のデータ。
ネット証券に目を転じると、1位の「SBI証券」(SBIホールディングス)は時価総額5994億円(従業員は約5500名)で、あくまで時価総額で見た場合だが、いまや対面2位の大和証券に迫ろうとしている。
「楽天証券」は非上場のため、ネット3位の「松井証券」を見てみると時価総額は2649億円で、従業員はたったの140名だ。
4位の「カブドットコム証券」も1890億円で従業員は松井とほぼ同数。これだけ見ても、どれだけ対面証券専業が非効率で高コスト体質なのかお分かりにいただけるのではないだろうか。
証券界のガリバーといわれた野村証券を傘下に置く野村HDが、今年3月期、10期ぶりの赤字、それも1004億円の大幅赤字(純利益)に転落した。08年の金融危機後に買収した米リーマン・ブラザーズののれん代を減損処理したことが大きな要因とはいえ、構造不況の結果といってよく象徴的だ。野村HDの永井浩二グループCEOはインタビューに応じるなかで、「我々は今『潰れる恐怖』と戦っている」というほど。今年4月、野村證券の国内店舗156店舗のうち首都圏を中心に約2割減らす方針を打ち出してもいる。

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