「タワー投資顧問」(東京都港区)といえば、3000億円の資金を運用、高い実績を挙げ、05年、同社の清原達郎運用部長は100億円もの所得を得てわが国長者番付一位に。
そのため、同社の扱う株には一般投資家などのちょうちんが付き、さらに株価が上がったものだ。
だが、昨年後半から業績悪化が囁かれ出し、この5月末発売の月刊会員制情報誌『ベルダ』もコラムで報じているように(冒頭写真)、さらに事態は悪化しているようだ。
例えば、ジャスダック上場のマンション分譲会社「日本エスコン」(東京都千代田区)も、その典型的ケースの一つだろう。
ここに来ての不動産不況、さらに取引先とのトラブルも重なり、同社の株価は07年10月以降、ひたすら下がりっぱなし。約15万円だったのが約6万円にまで暴落している。
ところが、タワー投資は同社の株式を約34%も所有(取得総額は約63億円)。平均取得価格は10万円以上と見られ、その含み損は20数億円に上ると思われる。
これに対し、本紙が入手した主な出資先リスト(以下に転載)を見ると、その半数近くが大手企業などの厚生年金基金なのだ。