アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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ブッシュ米大統領“温暖化隠し”で思い出される葬られた「ペンタゴン報告」

『毎日新聞』の1月31日夕刊が、米ワシントン記者名で、興味深い記事を報じている(写真)。 ブッシュ大統領がこの間、政府の気象学者に圧力をかけ、“温暖化隠し”を行っていたというものだ。 地球温暖化については、最も権威があるとされる国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)」第4次報告書案が今年1月に出て、現状のまま人類が飛行機や自動車を使い、工場からも二酸化炭素を出し続けて温暖化を進めると、今世紀末の地球の平均気温は最悪の場合、20世紀末に比べて6・3度上がると警告している。 4度の気温上昇でも、約30億人が水不足に直面し、多くの水生生物が絶滅するとも警告しているから、その深刻さが疑い知れるだろう。 だが、温暖化はこの10年ほどの間に専門家の予測を超えてさらに加速化している。そのため、IPCCさえ、1996年の第2次報告では気温は上昇しても最大3・5度としていたところ、第3次報告(01年)では5・8度、そして今年の6・3度と、上方修正を余儀なくされており、もっと上昇するとの説もある。 そこで改めて注目したいのが、ブッシュ大統領が圧力をかけて葬り去ったとされる「ペンタゴン報告」だ。 2004年2月、英『オブザーバ』紙が約4カ月前に米ペンタゴンが報告書を出したが、ブッシュが財界に配慮して握り潰したと暴露した。だが、わが国大手マスコミはまったく報道しなかった。 それもそのはず。その内容はICPP報告の比ではない最悪のシナリオとなっていたからだ。 それによれば、2010年夏には北極の氷はすべて溶け、2020年には西欧、北米が逆にシベリア化(寒冷化)するとしていた。  わが国よりはるかに北緯にある西欧などの気候が温暖なのは、暖流(メキシコ湾流)が来ているお陰。ところが、北極の氷が多量に溶けると、付近の海水塩分が薄まり比重が軽くなり、以前のように海に潜り込んで行かなくなり、そのため暖流とぶつかり行く手を阻む。つまり、上図にあるように、暖流が西欧に近い大西洋の高緯度まで流れなくなる結果、一帯は急激に冷やされるというわけだ。  米NYが凍りつく映画『ザ・デイ・アフター・トゥモロー』(04年。米国。横写真)はまさにその日を描いていた。 もちろん、こうなった場合、地球の海洋大循環自体が止まるわけだから、その影響は全世界に及ぶ。 ペンタゴン報告は2025年、中国は干ばつと砂漠化で内乱状態となり、やがて米中直接対決の可能性も高まると予測している。 ブッシュ大統領はこの1月の一般教科書演説で始めて「気象変動」という環境用語を使い、二酸化炭素を多量に産む石油大量使用からの脱却を口にした。だが、これは昨年の中間選挙で環境問題に積極的な民主党が主導権を握ったことに配慮しているに過ぎない。その証拠に、未だに急激な温暖化が人工的な二酸化炭素排出が最大要因との説に懐疑的だ。したがって、その削減を国際的に規制していこうと目標を定めた「京都議定書」の枠組みから米国は離脱したまま。 イラクなどのテロを批判するブッシュだが、世界で最も多くの二酸化炭素を排出している自国の「環境テロ」への反省は見られない。 そして、もう地球環境崩壊への対策のために残された時間はほとんどない。せいぜい後10年というのが良心的な学者の見方だ。…

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