ジャーナリスト・北健一 1965年生/専門は金融や司法/最近の記事「旧商工ファンド がトラブル頻発」(『週刊朝日』06年12月29日号)/同書籍『アメリカの日本改造計画』(イースト・プレス。共著)
この2回の連載で見て来た、「特A」と称する担保不動産売買を使った中抜き、そして債務整理に来た相談者からの金銭授受。「ヤミ金被害者の駆け込み寺」豊島民商・ひまわり道場の下で行われてきた行為は、詐欺や弁護士法違反にあたる疑いがある――実はそうした疑惑の存在は、豊島民商・長谷川清会長ら自らも、2006年6月28日付内部文書 「総括と見解」(左写真)で認めていたのだ。
すなわち、特Aについては、「『特A』案件と名付けたことでかえって『民商が事業を持ち込んだ』、『一部役員の聖域である』かのごとき疑惑を招いてしまいました」
また、ひまわり道場の収支を事実上の裏金にして来たことについては、「道場財政として機関会議への報告と承認を経ていなかったことは誤りでした」(以上、右写真黄色マーカー部分)と言うのだ。
05年春、豊島民商内部からも、こうした疑惑の解明を求める声が上がった。中心になったのは、ひまわり道場の元相談員らだ。
「豊島民商では調査委員会が設置されましたが、結論は出せませんでした」(同民商関係者)
内部調査では白黒つかなかったというのだが、にも拘わらず06年2月、長谷川会長らは、疑惑解明を求めた事務局員のH氏を解雇し、豊島民商副会長だった古川和子さんら5名を除名した。